2016年04月27日

豪潜水艦、日本の受注失敗は大歓迎!!

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日独仏がオーストラリアの次期潜水艦受注競争を競ってきたが、それが仏に負けて受注を逃したと報道された。私は、受注に失敗して本当によかったと思っている。 そもそも潜水艦という国家の安全保障、防衛装備に係る最重要機密が詰まっているものを、海外に提供するという発想そのものが、本末転倒でおかしかったので、結果的に今回の受注失敗は大歓迎である。

相手の豪州の首相がアボットからターンブルに突然交代したのが、日本側の提案が落選した理由だそうだが、潜水艦の技術に明るい者が発言力がなかったのが幸いしたようだ。潜水艦の技術に明るい相手であったならば、日本に代わってフランスを選択するはずがないからだ。

潜水艦などという中核的防衛装備技術の詰まったものを平気で海外に提供するなどという発想は、雇用対策、経済最優先で国家安全保障という最も重要な物事を図る物差しを持てない人たちがいるという事で大変危ういことである。

2015年09月19日

どうなる? 我が国の安全保障・輸出管理コンプライアンス

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我が国の外為法第1条には、この法律は外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対して必要最小限の管理または調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もって国際収支の均衡及び通貨の安全を図るとともに、我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする、とある。 しかし、このたびの産業界の「武器輸出推進の提言」は、専ら経済発展、経済成長にのみ重点がおかれており、国際社会の平和及び安全の維持を期するというより重要な目的に対する日本国民の視点が全く欠けている。 少なくともどのような安全保障輸出管理の仕組みを取り入れて、国際社会の平和、安全を維持していくのかの担保が全くないのは誠に遺憾である。 各企業関係者は、これまでの安全保障輸出管理の基本方針を早急に見直し、それを全社員に周知徹底することが求められている。

2015年05月23日

「ドローン」は、テロ活動の最強のツールである

無人ヘリコプターが、「ドローン」という名称で日本市場にも大々的に普及してきた。先日は世界を対象にした大々的な展示会も開催された。その多くは、中国製で単なる子供向けラジコンの玩具といったものではない。GPS機能を備えており、薬剤等を散布するタンクも装備されている。夜間でも正確に目的地に到達、潜入できる機能が標準的に備わっている。しかも、その価格はおこずかいでも楽に購入できる中国製というから、当局にとっても大変始末に困る難物であることは間違いない。 平成18年に日本のヤマハ発動機というメーカーが、これと同じ機能を備えた農薬散布用無人ヘリコプターを中国市場に営業、販売した廉で、外為法違反、不正輸出に問われた事件があり大々的に問題となった。

その事件を契機にして日本からドローンの設計に関する機微技術が中国に流出してしまい、それがいま逆に中国から大量に日本市場に向かって攻勢をかけてくるという皮肉な結果になっているようだ。

冒頭に記したようにこの「ドローン」という代物は、社会の安全保障という観点からは、とても当局がコントロールできるものではない。ありとあらゆるところから、とても想像をはばかるようなテロ活動を容易に仕掛けることが可能な機能を発揮する機材であることを皆で強く認識し、強固な導入規制を図らないと大変なことになるだろう。

特に大勢の人間が集中していると日本の各都市圏は、取り返しのつかない大惨事を引き起こす可能性が高いことを警鐘するものである。 2001年9月11日のニューヨーク同時多発テロと同レベルのテロ活動が、ここ東京でも容易に起こりかねない状況に我々はいま見舞われていることもどれほどの人が認識できているかだろうか?

2014年05月01日

外為法が無くなる時(日米安保による外為法第25条の義務免除)

外為法が無くなる時(s).jpg  外為法第25条において居住者に義務つけられた、非居住者への役務取引等に係る義務が免除される場合がある。(特例)

朝日新聞一面トップで報道された、オバマ米国大統領へ堂々と外為法で規定された「ロボットに係る該当技術」を提供していることを公表する現場写真である。

日本は世界の軍事的パワーバランスの下では、完全に米国の管理下にあり、全然独立国家ではないとみられている所以がここに示されている。

福島の原発事故が原点となり、日本は再び完全に米国の管理下に取り込まれることになった。日本の先端技術開発者は、米国と手を組んで共同研究を進めることが必須である。間違っても習金平とは握手をしてはいけない。

一方、トヨタ自動車やホンダの技術者は、決して米国大統領とは握手をすることはないはずだ。世界の市場が米国だけではないからだ。

2014年04月04日

北朝鮮の無人偵察機(武器)に日本製部品を転用

北朝鮮の無人偵察機.jpg日本政府の武器禁輸の原則見直しが始まった。

しかし、我が国の安全保障輸出管理の体制の甘さが、これからますます露呈されてくる

恐れが高まった。

北朝鮮の無人偵察機には、日本製のカメラが搭載されていたとメディアは報じている。

北朝鮮の武器には、日本製の部品、部分品がいっぱい搭載されている。また、原発にも

日本製機材が沢山設置されていることが、核の立ち入り調査で明らかになるはずだ。

かっての湾岸戦争の際も、国際社会より日本政府に対してこの問題が指摘され、時の

外務大臣はしどろ、もどろになってしまった。

2014年03月02日

ロシアは、安全か?

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国家安全保障の観点からロシアは、ウクライナに軍事介入した。スターリンの時代と本質的なところにおいて世界は少しも変わっているわけではないということを知らされる事件だ。 さてわが安倍政権はこのような局面においていかなる存在感をアピールできるのか?

2011年12月09日

少額特例制度の悪用。 クレハの場合

sクレハ事件_0001.jpgクレハ事件.pdf

化学系大手メーカーである潟Nレハが外為法違反容疑で書類送検という事件が報道された。

大手メーカーでありながら、安全保障輸出管理のコンプライアンスにおいて、基本的な内容が全く理解されていないのは大きな問題である。中国へ規制品目である炭素繊維を使った樹脂を「サンプル提供」という口実で、「少額特例」という輸出管理上のシステムを悪用して長年送り続けてきたという報道である。

輸出令第4条1項五において、経済産業大臣のライセンス取得なしで輸出が出来るという特例が定められている。その一つが総価額が5万円以下(少額特例という)ということになっている。しかし、この特例が適用出来るか否かの判断には、総価額のみならず相手国、顧客の事情、輸出貨物の該非判定等専門的知識が必要であり、誰でも出来るというものではありません。

今回のクレハの場合いはそのようなリスクマネジメントを適切に遂行できる専門家がついていなかったといえるのではないか?

 

CP&RMセンターでは、企業の安全保障輸出管理コンプライアンスを「技術士」が支援しています。

相談窓口:TEL03−5731−2382    お気軽にお問い合わせください。

 

 

2011年12月07日

一般包括役務取引許可のマトリックス

役務取引許可に、「一般包括役務取引許可」という仕組みがある。経済産業大臣にライセンス申請をして下りてくるライセンスの一つであるが、この仕組みを正しく運用するのは、そう簡単なことではない。

(参考例)

外為令別表 項番

提供地 ホワイト国

アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、

ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、・・・、アメリカ合衆国。

別記地域

香港、中国、

5の項(1)に掲げる技術

+s.17.1.2(先端材料設計、製造技術等)

一般 特定

5の項(2)に掲げる技術

+s.17.2.2(使用技術等)

一般

 

特定
5の項(1)又は(2)に掲げる技術(上記を除く) 一般 一般
5の項(3)〜(6)に掲げる技術(セラミック、フッ素樹脂、アミド樹脂等) 一般 一般

先ず、提供される技術内容がどのような類のものであるかを的確に仕分けることが必要である。(役務該非判定)

該当項番、貨物等省令条項までを適切に仕分けることが求められる。

次に提供地、提供相手がどこの国の誰であるかを特定しなければならない。その組み合わせによって一般包括ライセンスの許可範囲が規定されている。

いくら一般包括ライセンスを取得したからといっても、その使い方を誤ると直ぐに外為法違反事件になるから注意が必要である。

輸出管理責任者の力量が試される場面だ。

2011年12月07日

貿易関係貿易外取引等に関する省令(要約) (平成十年三月四日通商産業省令第八号)

(許可を要しない役務取引等)

公知の技術を提供する取引又は技術を公知とするために当該技術を提供する取引
(特定の者に提供することを目的として公知とする取引を除く。)であって、
以下のいずれかに該当するもの

イ 新聞、雑誌、カタログ、HP上のファイル等により、不特定多数に対して公開されている技術
ロ 学会誌、公開特許情報、公開シンポジウムの議事録等不特定多数の者が入手可能な技術
ハ 工場の見学コース、講演会、展示会等で入手又は聴講可能な技術
ニ ソースコードが公開されているプログラムを提供する取引
ホ 学会用の原稿、展示会資料送付、雑誌への投稿等公知にすることを目的とする取引

海外を相手にエンジニアリング技術指導、技術コンサルティング業等を展開している日本人技術者は、この法令コンプライアンスをしっかり念頭におかなければなりません。

即ち、ここに挙がっていない技術の提供等を行う場合は、常に外為法違反等で挙げられる恐れがあるということです。 法令等では、ライセンスを取得しなくても提供できる技術等についての記載はありますが、無許可で提供してはならない技術について具体的な記載がありません。恐らく、貴方の所有する技術やノウハウについても、その提供が外為法違反であると明記してある箇所は見つからないと思います。そこが、「落とし穴」なのです。海外への事業展開に当たっては、専門家による確かなナビゲーションが必須です。

 

役務取引に係る該非の判定を確実に履行して下さい。専門的なご相談は、CP&RMセンターへ。

TEL:03−5731−2382 

専門の「技術士」が対応させて頂きます。

 

2011年06月29日

「原発技術を中国へPR」とは?

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 東電福島原発の大失敗で、日本の原子力技術の信頼性が根底から失墜してしまった。 身から出た錆で止むを得ないことと心よりお悔やみ申し上げる次第である。

しかし、この原因を作った所の元当事者たちが自らの生き残り戦略ということなのだろうか、日本の原発技術を事もあろうに中国へPRしたというから驚きである。

恥の上塗りというか、今度は「外為法違反」という重大な犯罪者になりかねない行為をしていることをご存じなのであろうか。

「国際原子力発電技術移転機構」という組織が主催し、北京でフォーラムを開催した(6月27日、28日)という。原発関連の研究機関、機器メーカー、インフラ輸出を後押しする国際協力銀行等が参加したと報道されている。(朝日新聞2011.6.29付け) 

 さすがに、厳正な輸出管理社内体制の整備されている東芝、日立、三菱重工は参加しなかったという。

 原子力関連技術を海外へ役務提供するには事前に経済産業大臣の許可を取得する必要がある。今回の一連の行為は、正に重大な外為法違反である恐れが濃厚であり、当事者達に対しては厳正な当局の処罰が断行されるのではないか。 事前に海江田経済産業大臣が許可を与えていたというのであるならば、話は別であるが、今のこの非常に険しい国内事態のタイミングでそのような許可を与えるはずもないと考えるがいかがか? 有力原発メーカーの参加がないということからも、国家戦略で原発PRをすることの整合性は取れるはずもない。

 

2010年09月20日

中国へ光ファイバー技術を?

中国へ光ファイバー(s)?.jpg

 

 

 

 

 「中国へ光ファイバーの製造に係る技術を提供する?」

 中国は、相互に非常に長い歴史的な交流のある隣国であるが、現在はまだ双方の国境すらも確定していない基本的な体制の異なる関係にあることを認識しなければならない。いつ何時、ガブリとかみつかれるかもわからない大きな獅子とどう付き合っていくのか?

 光ファイバー機微技術の提供に係る許可は誰が下すのか? 経済産業大臣が許可を下せば、我が国の外為法の下では遵法であるが、そもそもこの技術の原産国は、米国である。

1996年〜2000年に、日系大手のF社が、「光ファイバ伝送技術、広帯域スイッチ装置技術」を不法に中国、ウクライナ出身の外国人に提供した罪(米国輸出管理規則EAR違反)で12万5000ドルの罰金刑を言い渡されている。

 光ファイバーの技術に係る該非の判定は、非常に広範囲に係わる専門的な見識が求められる。情報通信分野ばかりではなく耐放射線性、耐熱性等が求めらられる生産技術分野等ではなくてはならない基本的機微技術であることを認識し、慎重に判定をして頂きたい対象である。 

 

 

2010年09月08日

中国版満鉄の国家戦略プロジェクト(1435mmの攻防)

中国版満鉄の国家戦略(鉄道).pdf

 かって日本帝国陸軍が旧支那満洲への勢力拡大国家戦略の中心に据えたのは、広大な鉄道網の整備であった。

いま、中国はASEANインドシナ半島への勢力拡大を第一の国家戦略に掲げているが、その青写真を示すのがまさにこの記事である。

 日本の新幹線が戦後の経済復興、ニッポン再生のシンボルであったのに倣って、いま中国の国家戦略の中心は中国本土とそこから延々とインドシナ市場へ伸びる独自鉄道網の敷設プロジェクトである。

 この鉄道網は、有事の際にはすぐに最前線への兵員、物資の大量輸送の生命線となる。

 鉄道網戦略の鍵は、軌道の幅にある。 インドシナ半島の鉄道が1435mmになるのか、ならないのか?

  中国のアジア諸国支配の野望、「興国の一戦は1435mm」にある。

 

2009年09月21日

中国、韓国からの密輸が横行

 

中朝間密輸2.jpg 中朝間密輸_0001.pdf

 日本ではあらゆる製品や技術が容易に手に入る。通常それらは国内市場向けの商品である場合がほとんどである。このような状況に明るい人物が、それらを海外市場に展開するところでビジネスチャンスをつかもうとして多くの外国人が日本に入ってくる。また日本人も自らが直接海外へ展開して利益を上げようとしているケースも非常に多い。 貨物や技術の海外展開については、何人も国際ルールに基づいて業務を行うというのが大原則である。

 そのルールが十分国内全体に浸透できているか重要なことなのだが、多くの新興市場の国々ではまだまだとてもその体制が整っているわけではない。日本も長年その体制作りが不十分だと言われ続けてきたことでもある。 中国や韓国などは、その体制作りはまだまだであろう。 そのような事情を理解していれば、韓国や中国への規制品目の輸出に対しては一層の慎重さが求められてしかるべきである。 いま、特に問題となっているのは北朝鮮である。我が国から北朝鮮へ流れる輸出貨物は、それがどのようなルートをたどるかを問わず密輸となる。韓国はホワイト国というのが表向きの区分であるから日本から韓国への輸出に対してはほとんど規制が設けれていない。しかし、彼の国の国内の体制が整っていなければ、いったん韓国に入ってしまえば、それがその先でどのように流れて北朝鮮へ行ったとしても我が国の主権は及ぶすべもない。日本のグローバル企業の輸出管理として最も警戒しなければならないことはこの点である。日本の国がOKをしてもそれは意味がなくなる。結果として北朝鮮等へ貨物や技術が流れないようにすることが重要である。

2009年09月21日

「核の密約?」 日本人の安全保障意識と国際情勢

核密約02.jpg 新政権になって、日本の国家安全保障に係る基本的問題がまたメディアのトップニュースになっている。

前政権が事実関係を一切明かさず、一般国民を欺き続けてきたことに対する総決算をしようということなのだろうが、今更何を引き出そうとしているのかという気がする。これによって明らかになるのは、前政権の長年にわたる不誠実な欺瞞体質とそれを受け入れてきた日本人の手前勝手なご都合主義ということだけである。私達はいわゆる「日米安保反対」、「国会前デモ」の学生運動がピークであった時代を

体験して今日に至っている。 大変な思いをし、一旦国会を通った事実をしっかりと受け止めなければならない。その内容が不満足であるなら当然、同じような苦労の手続きを踏んで国会でそれを真正面から改正をしなければ主権在民の民主的な法治国家とは言えない。 これまでの政党政治家は、そのようなことを一切棚上げして、知らぬ、存ぜずで手抜きをして今日に至っている。 このような、国家存続に係る大切な安全保障に関する論議を棚上げするような日本人の国民意識は、世界的な常識レベルからすれば小学生レベルと言われ続けてきた所以である。

 鳩山新首相が、国連で安全保障にも係る演説をされるそうだが、小学生レベルの代表演説としてどのようなメッセージになるのか世界の注目が集まっている。たとえ小学生レベルではあっても、事実を正しく捉えて人類の恒久的な発展に対する真理を訴えて頂きたいものだ。 例えマニフェストにあるからと言って、情報不足、事実誤認(例えばあの偽メール事件のような)にもとづく発信だけはして欲しくない。

 現在の日本の国内法令、例えば「日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う外国為替令等の臨時特例に関する政令」 (政令第127号、昭和27年4月28日)等を見ても、日本の少なくとも国家安全保障に係る全てが、在日米軍の司令官に委ねられているという事実は厳然たるものであり、それを否定するような所から論議を展開したのでは、永久に小学生レベルから成長することはできない。

2009年09月12日

外為法改正 10月1日施行分

 国際情勢がますます緊迫する中で、安全保障輸出管理に係る法令の改正が行われこの10月1日に施行になる。

 日本の輸出企業は、この改正の内容を的確に把握し、しかも素早く全社に徹底することだ大事だ。 法律が改正されるということは、実際の現場で不都合なことが沢山起こっており、これを放置すると大変だということで発令されるわけだ。(何も問題が起きていなければ、法令改正などという手間のかかる手続きなどするはずがない。)

 法令改正の内容は、こちらから→ 法令改正2009.7.15pdf.pdf 法令改正2009.7.15理由.pdf

 

 今回の改正に関するサブラヒの見解:

この改正は平成19年の国際会議で合意、確認された内容を国内法に反映させるための法改正です。

(随分動き出すのが遅いと思われるでしょうが、日本の役所の仕事のレスポンス関数はいつもこの程度です。)

 規制内容の強化、明確化ということでここに列挙されている内容のアイテムが非常に不都合な形で北朝鮮等のミサイル開発グループや闇ルートを通って各国の規制を逃れて流れている実態が問題であるためにこの法改正がなされたとお考えください。

 

 いま、ロケットやミサイル技術の開発は、かなり世界中で熱気を帯びて注目を集めている分野です。高度な機器、機材、技術情報は公正な規制とルールに則ってなされるべきだというのが各国の共通認識です。そのルールが守られていないために一層厳しく規制する必要があるということでこの法改正がなされたということでしょう。

 半導体基板材料でいえば、従来「シリコンウェハー」のみが規制品目でしたがこの改正では、「同等の機能を持つ新素材として「窒化アルミニウム」「窒化ガリウム」「窒化アルミニウムガリウム」というものも規制対象になり、従来は「ウェハー」という形のものが規制されていたのが、今回の改正で「インゴット、ブールまたはその他のプリフォーム」というように半製品で輸出され海外で生産加工するものが具体的に現われていることを示しています。

 ミサイル関連資機材として「芯合わせ装置やその部品」、「試験、評価装置」単独で規制品目に登場することになったのは、一般の製造業者にとって注意する必要があります。

 

 エンジンについても様々なタイプの品目が具体的に上がっていますので、単品で輸出等される際はご注意ください。エンジンなどはまとめてリストアップし、どれとどれが規制該当品になるのかは、日頃よりそれぞれの企業が進んで学習整理することが必要でしょう。これからの自動車メーカーはますますこのような品目が急増しますので、一層の意識アップをお願いします

2009年08月06日

「スパイ天国日本」の汚名返上、外為法の大改正

日本の国益、すなわち「モノ作りニッポン」の収益を大きく左右する重要な法案が、現麻生政権の最後の大仕事として成立していた。(一流の仕事人には、少なくとも気に留めて頂きたい基本法の大幅改正である)  主に軍事スパイ行為を抑制する改正外為法と、主に産業スパイを抑制する改正不正競争防止法だ。

 改正外為法では、安全保障に関わる物品、情報の国際取引について、規制の対象を従来の「居住者から非居住者への提供」だけでなく、国境を越える行為全般とした。文書や電子記録媒体の国境を越えた移動、電子メールの国外送信も規制対象に含まれ、罰則も大幅に強化した。歴史も示すとおり情報は技術開発を本業とする先進国家の富(豊かさ)の源泉である。

 かっての日本帝国も成り上がり国家としての域を脱することができず、実体が目に見え、大きく頑丈な外観に目を奪われて、その源泉となっている所の情報の価値とその重みを理解できていなかったために国家のかじ取りを誤り、致命的な判断ミスで手痛い敗戦を喫した。

   NIKON 292.JPGドイツの暗号装置、エニグマ(2009年7月ワシントンDCスパイ博物館にて)

 

 日本の豊かさを維持し、更に発展させていくためには高機能なデジタルカメラ、ビデオ、フラットパネル、ハイブリッドカーなどなどを輩出する源泉となっている「特定の技術情報」を厳格に管理し、安易に国外へ流出させてはならないというのが今回の改正である。

 日本人の国民性が元来性善説で、誰に対しても親切で仲間意識が先に立ちあっさりしているというのは、世界に類を見ない美徳ではあるが、裏を返せばリスク管理がまるでできず、弱肉強食の厳しい現実世界では、勝ち残ることのできない致命的欠陥となっているということをリーダー層の人達には自覚していただかなければ自らの組織の存続を危うくしてしまう。

自らの組織の存続が何に依存しているかの企業秘密情報、これを全社員一人一人に具体的に認識させ、それを共有の企業資産として守る体制、そして他企業の同じような資産を尊重する意識、これを経営の中心に据えるのが「モノ作りニッポンのコンプライアンス経営」というものである。

世界市場経済での下で日本の製造業が勝ち残るための唯一無二の最強の企業戦略は、このコンプライアンス経営の徹底以外にはあり得ない。今回の外為法の大幅改正はここに至るまで甚だ拙速ではあったが、麻生政権の最後の置き土産として高く評価するものである。

2005年に発覚した「ニコン事件」:ロシアのスパイだと見られる在日ロシア通商代表部の人間に赤外線センサーの部品を渡してしまった。元主幹研究員は、まさかその部品がミサイルの追尾センサーに転用可能な技術だとは思っていなかったと供述している。20073月に発覚した「デンソー事件」:デンソーに勤める中国人技術者が製品の図面データを大量に持ち出し、同時期に中国へ帰国するなどの行為が判明した。

 

これらは、いずれも当該企業の情報管理の甘さに原因があったとして大きく報道された事件であるが、このようなことはこれまで数十年に渡ってほとんどすべての企業で日常的に行われてきたことである。自企業内に適切な管理システムが存在せず、社員に教育をしてこなかった、一方企業の外には何が何でもその情報が欲しいグループがある、この構図が長年日本を「世界のスパイ天国」と揶揄されてきたゆえんである。情報を流出させているのは日本人である。最大の脅威はインサイダー、内部の人によるもの。(経営破たんで社を去る従業員、使い捨て非正規の雇用者、何れも身から出た錆びと言えるだろう。かっての製造業では考えられないことだが)

これまでは、法律に欠陥がありそれを取り締まることができにくい状況があった。今回の改正以後はビシビシ取り締まれる体制が整った。罰則も大幅に強化された。

100年に1度」の大改革

  これまでは、流出した物品や情報が競業関係にある第三者の利益につながることを立証する必要があった。  今後は競業関係になくとも「不正の利益」や「損害」を生じさせる目的があれば法律違反となる。  さらに、従来は営業秘密を使ったり、第三者に開示したりする行為が処罰の対象だった。  今回の改正では、規則に反し営業秘密をコピーするなどして持ち出した時点で、処罰の対象となるようにした。

持ち出しの手段: @「紙の書類」   61% 

A CDまたはDVD 53%、

USBメモリー    42%

                    C メールへの添付ファイル送信 38%  (複数回答)

 グローバル経済、世界市場で戦う日本企業、モノ作りニッポンの技術者教育には一層の自衛意識が求められている。

2009年04月28日

CCC認証と安全保障輸出管理のつばぜり合い

 日本の製造業が中国市場で積極的な事業展開を進めてきたが、ここにきて大きな障壁に直面している。政治体制の異なるところで、単に相互協調、経済優先、利益追求思考できた経営者が重大な選択を迫られているのが、中国の強制情報開示制度(CCC)CCC認証と国家安全保障.pdfである。

 ほとんどの日本からの製造技術には、中国の制度と言われても開示することのできない核心技術をたくさん含んでいる。

何が開示できて何が開示できないのか?

 それは、わが国の外為法の「外為令」で厳しく規制されている「該当役務」ということになるが、多くの企業はその存在を日頃全然念頭においてこなかった。ましてや、企業としてどのように管理すべきなのかも意識してこなかったであろう。

 中国では、国家安全保障と国内産業育成という名目で強硬な要求を日本をはじめとする外国企業に突きつけてくるのは明らかだが、各企業が目先の利益でその注文に安易に従うことは国際的取り決めからとても許されることではない。たとえば携帯電話、自動車のエンジン、家電製品などにも、中国側に開示することが規制されている外為法該当技術がたくさん含まれている。それらの製造メーカー企業は、ここにきていままでのような中国での事業継続ができなくなる恐れが具体的な経営リスクとして持ち上がっている。違法なコピー商品が出回って製品の市場価格が大幅に下落したのもその元凶は、全てこの技術管理の甘さにあったということを多くの日本企業は認識しているだろう。しかし、今はもっとずっと真剣に考えなければならない瀬戸際に立たされているのである。

単に安い中国製品により市場シェアを奪われるという問題だけでなく、日本企業が違法輸出・役務提供の当事者として摘発され、国際的なDPLにリストアップされる恐れもあるのである。今回の22年ぶりの外為法大幅改正はその伏線として行われているということを十分ご認識頂き、事業の足元を一刻も早く確実なものにしていただきたい。麻生首相の中国訪問によるトップ会談の去就に注目しよう。

2009年03月01日

外為法、大幅改正(2009.2.27 閣議決定)

 世界市場の動向を鑑み、「わが国の安全保障輸出管理を一層厳格にしなければ・・・」という認識で外為法の大幅改正が平成21年2月27日閣議決定された。(経済産業省)

 これは、現在のわが国の各企業、大学等における輸出管理体制が非常にお粗末であり、先進各国(実際は米国)より何を言われるかわからないほど、非常に危うい状況にあるという政府の危機感を反映したものであることをどれほどの人たちが察知できているだろうか? 麻生内閣の寿命がもう尽きている2月27日のこのタイミングでこのように重要な外為法大幅改正( 1987年以来22年ぶり)をドタバタで閣議決定されるということの背景を各企業のリスク・マネージャーは敏感に察知してほしい。

 日本の新聞等のマスメディアは、このことをどれほどニュースとして取り上げたのか? 私には、そのような危機意識がほとんどないのではないかと目を疑わざるを得ない。

 役務(技術)取引規制の規制の強化が盛り込まれている。日本から中国、東南アジア、ロシア、中東方面への技術提供があまりにも基本ルールを無視して、野放図に行われていることを見直すということであるが、日頃のこのコンプライアンス意識が欠如している企業、大学等はこれから大慌てで体制を見直さなければならない。

 すべてのUSBの使い方を厳格に管理することを求めている。 罰則も強化され、懲役は最長10年ということになるらしい。 

 日本がココム違反に問われたあの時と状況は全く同じである。

2008年05月14日

日本人のコンプライアンスレベルと安全保障への取り組み

漸く進む、法整備(外為法改正)だが・・・。
日本人の安全に係わる意識は、世界の標準的な見方と比較して大きく偏っている。食とか身の回りの安全とか、いわゆる大衆認識レベルの問題に対しては時に極端に神経質で科学技術の専門家の認識からするともういい加減にやめて欲しいと思うことは山ほどある。しかし、一方国家安全保障というより重要で基本的な視点に立った場合、この国ほどノー天気で無防備な国はない。何しろ今日まで、その基本的な要件を司る法律(外国為替・外国貿易法略して外為法)が未整備のままで何十年も来てしまった。重要な技術情報の国外流出を防ぐ法律が未整備で国家安全保障が脅威にさらされたまま放置されていたと言ったら言い過ぎであろうか。外為法改正2.pdf
この2008年5月13日付け日経新聞の記事は、中国での大地震の陰に隠れて殆どの人の気を留めるに至っていないが、非常に重要な事柄であるので技術の専門家は皆、その言わんとする本質を十二分に熟読玩味していただきたい。特に先端分野の技術開発に係わる大学研究者、企業の技術開発関係者、海外への技術移転や外国人との共同研究を考えておられる方々には重要である。ここでもし、日頃の自らの業務についての何の疑問もプレッシャーも感じないとしたら、やはり日本人のコンプライアンス意識は、中学生レベル以下ということを証明してしまうことになるだろう。欧米先進諸国は、これらのことはもうずっと昔から行なわれていることなのだが、我が国は漸く2009年に国会へ提出される計画だそうな。
この問題について、各組織はいかなるコンプライアンス・プログラムを構築しなければならないのか、それを今からでもはじめないと、それぞれの組織、グループの将来性には希望が持てない。コンプライアンスが確立していない組織には、いかなる資金の投資、公的支援もする意味をもたないからだ。
2008年01月04日

先進企業のビジネス・チャンス

2008年のビジネスの焦点は、ロシアのようだ。
ロシアビジネス.pdf
多くの企業が隣国中国市場へ向かって来たが、これから先のロシアは更に大きな変化を遂げつつある。しかも、一つ一つの規模が大きい。
ロシアへビジネス展開をするためには、社内のコンプライアンス体制の整備が、中国以上に重要だ。
米国と中国、米国とロシアこの温度差を的確に感じられるセンスを磨いていただきたい。
国際間の取引には、常に契約書が重要だ。
必要な要件を漏れなく網羅することが、後々の企業リスクを回避することに直結してくる。国際情勢は目まぐるしく変化する。現在において正しい選択であると思われたことが、どのように変化するかは誰も予測できない。不安な内容も多々あるはずだ。それらの項目については誓約書を交わす必要がある。一枚の紙切れが企業を救いもするし、また逆に危機に追い込むことにもなる。
「安全保障に関する国際間取り決めを確実に遵守する」一項目は、絶対に漏らしてはいけない項目である。
2008年01月04日

ロシアの核ビジネス、急展開

プーチンロシア政権の影響力が国際舞台においても急拡大し、最早米国もそれに待ったをかけることが実質的に不可能な情勢が作られている。
ロシアビジネス.pdf


ロシアがイランに核燃料を供給を発表、米は「事前に協議済み」ということは何を意味するのか?
これから益々、国際市場を舞台に従来は規制品目であるがためになかなか輸出が出来なかった原子力、ロボット、産業機械、宇宙航空、センサー等の分野のビジネス展開が可能になるということである。
このようなパワーバランスの変化、国際的な勢力マップの流動化に対して、我が国産業界の対応が大いに気になるところだ。いくら米国の力が低下したからといって、国際世論が安全保障を求めていることには変わりはないし、国際的なテロ組織だって勢力拡大に動いているのは少しも変わりはない。
自らの製品輸出や技術提供が100%安全なビジネスベース取引であることを保証できる証明が必要なのだ。安全保障輸出管理体制の整わないグループは、ますます置いてきぼりになってしまうだろう。ロシアや中国は、国家としてそれを保証する体制だが、日本の場合は企業自らがそれを保証しなければならない。

2008年01月04日

ロシアの核ビジネス、急展開

プーチンロシア政権の影響力が国際舞台においても急拡大し、最早米国もそれに待ったをかけることが実質的に不可能な情勢が作られている。

無題.bmpロシアの核.pdf
ロシアがイランに核燃料を供給を発表、米は「事前に協議済み」ということは何を意味するのか?
これから益々、国際市場を舞台に従来は規制品目であるがためになかなか輸出が出来なかった原子力、ロボット、産業機械、宇宙航空、センサー等の分野のビジネス展開が可能になるということである。
このようなパワーバランスの変化、国際的な勢力マップの流動化に対して、我が国産業界の対応が大いに気になるところだ。いくら米国の力が低下したからといって、国際世論が安全保障を求めていることには変わりはないし、国際的なテロ組織だって勢力拡大に動いているのは少しも変わりはない。
自らの製品輸出や技術提供が100%安全なビジネスベース取引であることを保証できる証明が必要なのだ。安全保障輸出管理体制の整わないグループは、ますます置いてきぼりになってしまうだろう。

 ロシアや中国は、国家としてそれを保証する体制だが、日本の場合は企業自らがそれを保証しなければならない。
2007年02月23日

ヤマハ発動機、外為法違反で部長ら3人逮捕

ヤマハ発動部長逮捕.pdf
 かねて当ブログでも問題にしていた、ヤマハ発動機による中国への違法輸出案件(無人ヘリコプター)に対して、2月23日付け朝日新聞夕刊で3人が逮捕されたと報道された。
しかし、企業側では見解の違いを主張し容疑を全面否認しているとのことだが、もしそうであるなら誠に遺憾な事態と言わざるを得ない。
 企業の輸出管理において十分な「該非判定能力」がないということを自らさらけ出しているようなものである。
この分野の該非判定には、非常に特殊な知識を必要とする場合がある。それは、国家安全保障を目的とする規制であり該非判定に必要な情報が全て開示できない対象物、技術が多々あるからである。
 それは主に、規制すべき対象が米国等との国際取り決めで最終決定されるからである。
従って、もし判定そのものにリスクがあると思われる貨物は予め定められた経済産業省の相談窓口で事前に相談をすることが、企業における輸出管理責任者の重要な責務であり輸出管理業務における鉄則である。
 
 今回の案件などは、当然そのような手続きを踏んで最終判定しなければならない案件である。
手抜きの手続きをし、しかも当局の家宅捜索をうけて更に全面否定する態度はとても尋常ではない。
ましてや、輸出相手国が中国であるというから困ったものだ。米中ソを巡る非常にデリケートな国際情勢に対する認識の欠如もはなはだしい。
 NHKのニュースによれば、専門家による技術鑑定をするという話もあるようであるが、そのような次元の問題ではない。駄目なものは、駄目なのである。
 輸出管理と言うのは、単に技術ばかりでなく、とても多面的で非常に細やかな感性が求められるものでもあるのだ。
2007年01月05日

平成19年1月1日施行の法令等改正について

 国際輸出管理レジームでは、毎年主要国が集まって総会を開催し、新しい国際情勢の変化に対応した安全保障輸出管理に関わる規制品目の内容を見直している。
その国際的合意に基づき我が国が遵守しなければならない事項を盛り込んだ政省令等の改正が行われ、この平成19年1月1日付けで施行となっている。(http://www.meti.go.jp/policy/anpo/
 
 各企業の輸出管理責任者の重要な責務は、これらの具体的な内容を社内全員に周知徹底することである。

 これが的確にかつタイムリーに成されているかが、御社の輸出管理コンプライアンスが機能しているか否かのバロメーターであり、ここでその実力が試されると言える。
 これが出来ていないと、経済産業省が所管するCP登録企業として、一般包括ライセンス等の取得は出来ません。

 世界に高性能な、「Made in Japan」の製品を提供する資格があるか否かは、ここに原点であるということを全てのモノ作りニッポン企業は肝に銘じていただきたい。

 当サブラヒ・テクノロジスト事務所では、微力ながらそのための実践的技術支援を承っております。
2006年12月23日

外資による企業買収、新たな段階へ

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 日本経済新聞の2006年12月19日より

中国が急速に経済力を強め、規模において日本企業を凌駕する場面が現実問題となってきた。

 安全保障輸出管理は、今までは貨物の輸出、役務の提供を中心に進められ、最近は外国人社員への技術の流出をどう防ぐかが問題になっていた。非居住者であるために、同じ社員でも取扱が全く異なっていて気を使っていたわけであるが、今後は企業ごと買収されてしまうケースも視野に入れて安全保障を考えなければならなくなってきたと言うことだろう。
2006年04月19日

「外国ユーザーリスト」とその改正

 日本を取り巻く安全保障の国際情勢は、時々刻々と目まぐるしく変化している。
 毎年4月と9月に、「外国ユーザーリスト」という非常に重要な経済産業省から出されるお触れがあるのを、皆さんはご存知だろうか?

 この内容を知らない輸出者は、皆インチキだと言っても決して大げさではない大変重要なお触れなのだが、この問題をTVが報道したことはないし、また大新聞で記事にしたことはあるだろうか。

 このお触れを非常にプロフェッショナルな輸出管理の専門家しか殆ど注目していないところが、我が国社会、国民意識の天下泰平なところである。

 かってはそれで全く問題なかった。しかし、今は違う。その国際情勢の大きな変化を一人一人が認識できる状態になっているか否かが、大きな問題であるのだが。

 平成18年度の「外国ユーザーリスト」は、9月19日に貿易経済協力局から発令されているので、ぜひお確かめいただきたい。

 イスラエル、イラン、インド、パキスタン、中国など許可なしで輸出をしてはいけない相手、エンドユーザーがリストアップされている。

 日本から工業製品を輸出する輸出者は皆、このリストをチェックしなければ法令違反を犯したことになる。
2006年02月07日

平成18年1月1日施行の政省令等改正の概要

安全保障輸出管理は、国際間で協調して推進してこそ効果が発揮される。主要国が十分話し合い合意した内容を国内法に反映させ、それを民間各社に徹底させて漸く効果が発揮されることになるのだが、それまでの手続きたるや大勢の人たちの大変なご苦労があるわけで私はいつも頭が下がる思いでその仕事を見守ってきた。
それぞれの国の様々な事情を勘案して、真剣な議論を重ね漸く合意に達した内容であることから、たとえそれが小さな項目、一見無意味に見えるような内容であってもしっかりと受け止めることが大切だ。
複雑な国際環境の中で私達の安全保障を維持していく仕事とは、そのようなものなのである。
このプロセスをしっかり理解しておれば、それを守る責任と違反することの重大性はおのずと感じられてくるはずである。
今年の政省令改正の概要は、こちらに掲載されている。
この内容に関してもし不明な事項があれば、霞ヶ関の担当課に問い合わせる必要がある。もし敷居が高くてそのような場所へなかなか行きにくいという方は当方の「洗心塾」へどうぞ。
2006年02月02日

中国リスクをどこまで理解しているか・・・。

s-yamahagiwaku.jpg

 日本企業の中国へのビジネス展開には、確実な手続きが不可欠である。中国人のことを悪く言うつもりは全然ない。ちゃんと国際ルールに従って仕事を進めなければならないということをここでは強調したい。それが、全世界に対して私達の日本が約束していることであり、それに違反すれば、簡単なではないことは確かなのである。
 中国はとてつもなく広いし、色々な民族が入り混じって安全保障に対する法整備も、それを確実に守る体制も整ってはいない。
 お金だけに目を奪われて、もっと大切な同胞国家や社会の信頼関係を失ってはならない。
2006年01月13日

「イラン、核技術研究再開」を公式発表

 世界の安全保障の枠組みがどのようなものなのかを、日本の各企業はこの際改めて見直さなければならない。
 いま現実の資本経済の市場で大きな成長が期待されている分野は、全て米国の主導してきた「世界安全保障の枠組み」を外れては存在しえず、またその枠組みの前提が崩れれば何時、キューバ危機のような事態が発生しても不思議ではない。あらゆるコンピュータ技術、センサー、材料技術、半導体基板技術、暗号ソフト・デジタル技術、通信技術、宇宙技術、航法技術、・・・全ての市場が米国の軍事・戦略政策で生まれた技術ばかりである。
 これらの市場は、いつでも米国の安全保障が危うくなれば停止する。米国の影響力、政策を過小評価してはいけない。中国、インド、イラン、パキスタンなどの国家群は皆、その本質的厳しさを全く知らない成り上がりの人たちばかりで構成されているから恐ろしい。
 これまで米国内では市場原理優先の技術開放政策がとられてきたが、イランの標記の発表はその流れを一変させる大きな危機をはらんでいる。
 自由資本主義経済の環境で皆が米国の主導するルールを守って競争しているうちは、何も問題ないが、わけの分からないグループがそれが破って、それまで築き上げてきた全てを台無しにしてしまう危険が直ぐ隣にいることを忘れてはならない。
 「今、キューバ危機が起きたらどうなるか」 これが本来の「リスクマネージメント」です。
2005年09月21日

キャッチオール規制の適用除外国とは

 この地図に国名のある国への輸出は、キャッチオール規制の適用が除外されています。即ち、それぞれの国でしっかりした輸出管理体制が確立されている国と認められていることになります。それ以外の国々への輸出に対しては、キャッチオール規制対象ですのでしっかりした貨物の輸出規制該非判定を行うことが義務つけられています。イランやパキスタンばかりでなく中国、インドやロシア等の大国も当然ながら規制の対象国ですのでご注意下さい。
 尚、輸出貨物の該非判定は、個々の企業の自主管理に委ねられている。自主管理というと聞こえはいいが、役所は何も出来ないということで、事件が発覚すれば容赦なく摘発しますということである。その法律だけは、抜かりなく厳しくきちんと定められている。それが、国際協調ということであるのだが、これまで度々日本は不祥事件を引き起こし吊るし上げられている。
 これからも色々な場面での国際査察が行われるわけで、その際に日本の機器メーカーの機材が見つかって不法がリストアップされてしまうことは十分予測されるのである。そんな時にヤリ玉に挙げられないようにするのが、各企業のコンプライアンス・プログラム登録ということで、経営責任者の大切な責務である。
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2005年09月21日

密輸の現場

s-afgan.jpg 世界の安全保障を確実に前進させるためには、新興諸国の貧困撲滅が不可欠な活動であるが、この自明の理が分からない人たちが何と多いことか。企業の社会的責任で最も高く評価されるべきポイントであるのに、そのことが全く眼中にない多くの企業人やその尻馬に乗って食べさせてもらっている自称経済人、政治家役人連中があふれているのは嘆かわしい。
 写真は朝日新聞からの転載であるが、パキスタンからアフガンへの険しい密輸ルートを使って車のタイヤを運んでいるロバのキャラバン隊である。こんなに苦しい思いをして密輸品を運ぶのが彼らの唯一の生き延びる道であると思うと、この現実を改善できない責任を痛感させられる人も多いはずだ。ここを通る全ての品物(日用品、雑貨や武器、麻薬など)が密輸の違法品なのである。
2005年08月30日

海外委託生産と輸出管理

 「海外へ生産委託すると安くなる」と、お金のことばかりに気をとられないで下さい。
海外との取引に輸出管理の専門知識は不可欠です。
特に、規制の対象が貨物ばかりでなく「技術も対象」であることをお忘れなく。中国、東南アジア等への海外委託生産が活発ですが、特に注意が必要です。
 プレステ2の海賊版問題が話題になりました。これは、メーカーの技術管理が甘かったと言えるでしょう。規制対象のハイテク製品(IC、半導体、暗号など)を中国等海外で作られてしまうのは、全てメーカーの技術管理の甘さにあるということを忘れないでいただきたいですね。許可を受けずに規制技術を提供すれば「外為法違反」にもなります。技術提供に、少額特例は一切適用されません。うっかりでは、済まされません。

 「技術の提供がなければ、彼らは規制貨物を作ることは出来ないからです」