2016年01月04日

化学工場安全管理の初歩

タンク爆発の正体?.jpg化学物質を取り扱う工場の安全管理はいまどうなっているのか?

正月早々に埼玉の化学工場でタンク爆発が起こり、作業をしていた派遣社員の2名の男性が亡くなった。

工場の社員は何が起こったのかも分からず、また事故原因調査に立ち会った署員も、有毒ガスなどが噴出してそれを吸い込んで命を落としたのではないかと報道されている。しかし、この報道内容は全く間違っているだろう。

硝酸を使った銀鏡反応でいったいどのようなことが起こりうるのかという、高校の化学の授業で学ぶ安全知識も持ち合わせていない人たちが、いま日本の化学工場で危険物質を取り扱っている現実を私たちは直視しなければならないのではなかろうか。

2014年03月14日

技術情報流出はなぜ起こる? 日本が一流国家企業となるために。

東芝技術流出.jpg

 すでに過去になったことではあるが、またまた日本企業の根幹技術が韓国大手企業に流出する事件が摘発された。 このような不正役務取引(正規の契約書によらない技術流出事件)は、1980年代より頻繁に行われていた。 相手は、台湾とか韓国の大手企業でありいずれも日本を標的とした相手国の国家戦略によって遂行されてきた。 日本の多くの企業ではこの問題に対するリスク・マネジメント意識が全く欠如しており、また技術者の側も十分な国際法知識が欠けていたため、せっせとその運び屋さんになってきたのである。

 いまでも技術力ではトップクラスにありながら、経営力において二流企業にとどまりどうしても国際社会において一流企業になれない多くの製造業が日本にはたくさんある。ほとんどの技術系一流大学等の研究者も、この辺の状況は全く同じである。

 技術者が名実ともに一流の技術者になるためには、単に専門技術力を磨くだけでは不十分で、その応用力において国際法令等のコンプライアンス・リスクマネジメントが必須の時代なのである。

(元富士写真フイルム(株)技術情報部 主任分析官 中村博昭)

2013年10月05日

汚染水、処理するほどに量が増え

 
  政府当局は、東電福島第一原発の汚染水処理を進めているが、これはほとんど実質的に意味のない行為である。  ALPSという装置を作動させて汚染水処理をする構想なのだが、この装置はトータルの汚染水量を、一回通すごとに元の量の数倍に増やしてしまうということを理解しなければならない。 超高濃度汚染水はどのように処理しても、そのトータルの放射線量は変わらない。  そして、処理操作をするたびに低濃度の放射能汚染水が新たに発生するからである。 その汚染物質吸着装備は、連続で運転することができないばかりか、処理した水を排出する場所がなく、またタンクに収容するしかないからだ。タンクの数がこれからますます増加することは、明らかだ。 事件が発生し3年たってもいまだかって処理した水を安全に海に流したという報告はない。 みんな
 

タンクに入れて中間貯蔵するしか方法がないので、どんどん周りにタンクの林ができている。




2013年07月14日

経済優先、安全軽視の体質が大きなつけになった。

ボーイング事故原因2.JPG

技術者は、Reason, Why? の追求をあきらめたら終わりです。

経済優先、安全軽視のつけは重い。 

原因究明がないままに、米連邦航空局(FAA)が運航再開を許可した。また、日本の国土交通省が何の独自性も示さずに追随する、 そして起きるべくして起きた事故の再発。 原因究明がなされず、有効な対策も取られないままに放置すけば、事故は早晩起きるのがあたりまえですね。起きない方がおかしいのです。

会社経営が再起不能に陥るリスクが迫ってきた。 全てを原点に戻して、法令コンプライアンスを全うできるか、それが今問われています。

どこかでボーイング787が一機でも落ちたら、東電福島原発メルトダウンと同様の重大災難に見舞われるでしょう。

 

2013年06月21日

大飯原発再稼働が、合法である?

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 日本の原発が、国際的安全規制基準を満足しているはずはない。東京電力福島第一原発の痛ましい事故、被災を教訓にして新安全基準が制定され、この7月に施行になる。この新規安全基準は、過酷事故に適切に対応できる安全対策が備わっていることを求める基準であり、それが備わっていない核施設は、稼働させてはならないということを決めている。
取り敢えず危険があるかどうかなどを定めたモノではない。法令に適合していないものは、運転してはならないのである。
しかし日本では、新規基準が施行された7月以降も、世界の安全基準を全く満たしていない核施設の運転を公然として続けようとしている。

これは、全く法令コンプライアンスをないがしろにする暴挙であり、とても許されることではない。
全くつじつまの合わないことを平気でしていることになる。




中村サブラヒ・テクノロジスト
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2013年05月26日

リスクマネージメントとは?

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我々は、日頃より身の回りの本当のリスクとは何なのかが分かっていない場合が多い。即ち、本当のリスクが分からない、分かろうとしないことが正に最大のリスクなのであろう。
真のリスクマネージメントとは、リスクの本質と真っ正面から向き合うことからはじまる。
我々は、まだ南海トラフのリスクに向き合うことができていないのだ。




中村サブラヒ・テクノロジスト
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2013年05月20日

哲学のない日本

image/sensinjuku-2013-05-20T09:04:29-1.JPGなりふり構わぬ成長戦略をかざして、日本はインドと原子力協定を結ぶそうだ。
自らの犯した取り返しのつかない大きな過ちについて、些かも反省することもなく、その欠陥だらけの原発システムを開発途上国へ売り込むという姿勢に、私は断固反対である。
被爆国日本が、アメリカの甘い言葉をそのまま受け入れて、そのおかげで今の日本が情けない窮地に立たされてしまっていることを、日本は世界に向けて発信なければならない立場にあることを、基本行動哲学として持たなければならないのだ。浮かれ出たアベノミツクスの根本的かつ基本的な欠陥がここにある。




中村サブラヒ・テクノロジスト
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2013年05月14日

放射能汚染を管理下に置けない

image/sensinjuku-2013-05-14T08:55:35-1.JPGいま、福島県周辺の放射能汚染は止まらない。
誰もその拡散を止められない。憲法や尖閣の問題をことさら喧伝し、本当に大事な問題を棚上げしている現政権には、早く起動修正をかけないと日本はとんでもないところに流されて行ってしまう。
今目の前にあるこの膨大な汚染廃棄物は、日々増大し日本中を覆い尽くすだろう。




中村サブラヒ・テクノロジスト
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2013年05月08日

汚染水処理のコンプライアンス

image/sensinjuku-2013-05-08T08:42:50-1.JPG生活環境保全のルールを守るということは、国際社会では最も基本的なことではないのか?
日本では、今その基本的なことが福島では全く無視され、国も政権政府も誰もが知らん顔をしている。こんな国が『美しい日本』などであるはずがない。
富士山の本当の価値は、姿形がうつくしいからではない。その広大な裾野に湧き出す大量の清浄な地下水の恵みである。
今、福島周辺の山地、田畑は愚か東日本の近海漁場がみな放射能汚染地下水になってしまう恐れがほぼ確実になって来た。
一般日本人は、PM2.5のことに気を奪われているが、放射能汚染水の方が、ずっとずっと絶望的に深刻な問題なのである。特に、トリチウム汚染水は、いかなる技術を駆使しても取り除くことが不能で、解決手段としては、その汚染水は遠く人里離れた大洋に捨てるしか方法がないということを我々は認識しなければならないのだ。




中村サブラヒ・テクノロジスト
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2013年04月27日

原発再開を問う

いま日本が直面している最優先課題は、原子力基本政策からの撤退をどう進めるかということであるが、誰にもその答えが見えていないのか?
これは、いままで擬装し続けてきた来たことを誰も撤回できないからであろう。だが、結論は至って単純である。『原発は、最も安い電力である』という原点の誤りを正しさえすれば、全ての答えは見えてくるのである。堂々巡りの安全性論議や、地震、津波などの自然災害対策、テロ攻撃からの安全保障などの議論は全く無駄なこととなる。誤った認識の原点を正し、経済合理性の基本に立ち返ることが必要である。Time is money, 一刻も早く動かないと、これからの日本は沈み続ける国家になってしまう。失われた時間は、取り返せない。

中村サブラヒ・テクノロジスト
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2011年05月18日

除染、放射能汚染土壌の処理にどう対応したら良いのか?

   前代未聞、福島原子力発電の被災事故により周辺各地では、土壌汚染への対応をどうしたら良いのか頭を痛めている。

KC-300埋設(s).jpg

 

 

 

 

 

 

                                                        

 

                                                                               

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放射能の汚染は、その汚染物質による影響が長期に及ぶためここでその対応を誤ると、将来に大きな禍根を残すため当事者にはしっかりした対応を望みたい。

学校のグラウンドが汚染されてしまい、生徒が校庭でのクラブ活動も出来ないでいるというニュースが入ってきた。少しでも早くこの苦難から逃れたい気持ちはよく理解できる。しかし、その対策として採用された手段は、余りにも稚拙な付け焼刃であり驚かされる。

即ち、表面の土を直ぐ下数10cmの土と入れ替えるというのだが・・・。

この対策により表面の放射線量が基準値より下がったので有効であるとして直ぐ採用したという頭の構造を私は疑う。確かに表面の放射線量は下がるが、放射性物質による本質的リスク回避には何も有効ではない対応策ではないか。放射性物質は、この後どうなるのか。 一層早く地下に浸透し地下水系を汚染する。その汚染は、もうどうしても止まらず、取り返しのつかない半永久的汚染となりその地域一帯に残ってしまうだろう。作物や河川、飲料水の汚染へとこれから順次広がっていくのは明らかだ。

穴を掘って埋めるといっても、それはそう単純なことではない。

このようなケースでは、最小限の対策として止水シートを張り巡らした地下埋設をしなければ責任のある対応とは言えない。

止水材としては、例えば特殊アスファルトシート等が有効である。(上図)

放射能の土壌汚染対応としては、少なくともこれ位の事をやらなくては話にならない。 そして、「リスク・マネジメントとして更に何が必要か?」を考えてみよう。

様々な法令に遵ったコンプライアンス、そして責任者のリスク・マネジメント の真価が問われる場面が次々に現場に顕れている。

 

2010年09月09日

大学の役務取引コンプライアンス・リスクマネジメントは、待ったなし

大学の軍事研究.pdf

いま、日本の理工系大学は非常に厳しい状況に立たされていることをどの程度真剣に自覚しているだろうか?

外為法の大幅改正がなされて早や4年、その間に長年のつけを後送りにして今日に至っている。 いまだ、それが

何を意味するのかを自覚出来ている責任者はわずかである。

大学のこの問題のコンプライアンス経営は、経済産業省管轄の中小企業向け相談窓口レベルで片づけるような話ではないのです。 

 これから次々と7年の時効を待たずに多くの不祥事案件(外為法違反)が表に出てくるわけですが、大学当局はどの

ように自らの立場を社会に説明するのでしょうか。

 

 「日本物理学会決議(1967年)違反」、「日本学術会議声明違反」が綿々と続いていることが今回の外為法大幅改正の背景にある「不都合な真実の本丸」であると私は確信します。

 

 「はじめて聞いて驚いた! 

      事実とすれば大変だ、早速調べて善処する」 

 この記者会見答弁はもう通用するタイミングではないでしょう。 不都合な真実は、いくら隠しても駄目なのです。

 

 一刻も早く専門家による安全保障輸出管理コンプライアンス体制を構築して下さい。先ず形を作って、その実績を地道に積み重ねていくことが大きな社会的存在感になるのでしょう。

 

 理工学系大学の安全保障輸出管理コンプライアンス/リスク・マネジメントの専門組織が支援しています。

 人材育成セミナーや教育カリキュラム等も用意してございます。

 

 相談窓口: CP&RMセンター(大岡山事務所) http://www.cp-rm.jp/ 03-5731-2382 です。

 

 (社)日本技術士会 登録活動グループです。 

 個々の大学とのコンサルティング契約は、(社)日本技術士会が契約致します。

 

 私達専門技術コンサルタントは20名です。 全員がそれぞれ専門技術分野の技術士(文部科学大臣認定国家資格者 注:経済産業大臣ではありません)です。 

 学術分野の国家資格者です。 個々の大学が行う役務取引契約や機材の輸出、留学生受け入れ技術指導等についての 安全保障貿易、リスクマネジメントを支援しています。

 

2010年07月14日

中国への事業進出とコンプライアンス

中国へ進出(m).jpg  事業拡大と景気回復を目指す経済成長至上主義で多くの製造業が中国市場を目指して経営の舵を大きく旋回する動きが活発だ。しかし、製造拠点を広大な中国の奥深くへ求めるのには慎重な経営判断が求められる。 特に製造業の生産拠点を中国等の海外へ移す場合には、豊富な労働力と低賃金による労務コスト削減がその目的である。だが、利益追求ばかりに気を取られている日本企業はしばしばもっと根本的なところで大事な事柄をすっかり忘れてしまっていることが多い。

 生産拠点を海外へ移すには、それに伴って製品そのものだけでなく、その製品を作るための中核技術というものを日本から相手国側へ提供するということが避けられない。(外為法の第25条 役務取引)

 ほとんどの日本の製造業の製品は、外為法第48条で規制されている輸出令別表第一の該当品目であるわけではない。しかし、その製品を構成する様々な電子部品や機能材料の中には、上記の法律で厳しい輸出規制の対象となっている品目が多い。更に、海外で生産を開始するという場合には関連する全ての生産技術が日本から相手国側に提供されるということを避けられない。非居住者に、製品を作るための中核技術を提供するということは、極めて機微な「役務取引という行為である。

 では具体的にどのような「役務取引(技術の提供)」が管理の対象となるのか? それを決めているのは外為令別表に掲げられた技術リストである。

 中村サブラヒ・テクノロジスト事務所では、あらゆる分野の役務取引の該非判定についての技術支援業務を展開しております。

 

 

 

 

 

 

2009年10月13日

大学のコンプライアンスとは、・・・。

ウィ二―開発(m).jpg 日本という国は、安全保障という視点で見た場合世界の中でも甚だ特異な状況にある、ということを私達は改めて理解しなければいけない。

 ウィ二―の開発者が「著作権法違反幇助」という罪に問われ、一審で罰金150万円とした京都地裁(06年12月)の判決がこのたび大阪高裁の控訴審で逆転無罪ということになった。(09年10月8日 朝日新聞) 

 先ず、この事件を裁くのに日本の法律では、誠に陳腐な「著作権法違反幇助」という罪であること自体がおかしなことであることを指摘しなければならない。誰もが変に思わないのが異様なことである。 変であってもそれを改めようとする法曹関係者や行政の指導者がいないというのも、甚だ情けないことではないのか。 この事件は、このような範疇の罪で裁くようなものではない。 事件の当事者が元東京大学大学院助手というのも非常に重く考えなければならない現実である。 技術開発というものは世の中の一般とは常に先行して進むものである。従って研究開発に伴って生じる新たな事態に対しては社会の法整備が遅れることは止むをえないが、研究開発者自身が自らの研究成果の社会的影響について少しも責任感がなく、何ら自制的意識が働かないということは大きな問題である。国立大学という法人組織が自らのメンバーが何を研究開発し、何を目指しているかについて何のガバナンスも備えていないのも大きな問題となっている。 

 独立国家の指導者は、社会の安全保障を先ず第一に考えなければならない責務を負っている。 独立法人であるなら、国の法律の規制を超えた、より厳しい自主的なコンプライアンス・プログラムを備えていなければならない。それがその法人としてのアイデンティティーであり差別化のポイントとなる。それの伴わない法人組織は米国流の格付け(世界標準)ではランク外となってしまうだろう。

 因みにインターネットというのは、元々米国防総省の高等研究計画局(ARPA)が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトに発している。 軍事、国防技術の基幹をなすものであるが、1993年にアメリカのゴア副大統領(当時)が情報ハイウェイ構想を発表し急速に広まり、現在その統括は米国商務省傘下のICANNが担っている。

 日本では、1984年に慶応義塾大学と東京工業大学についで東京大学にも学術研究用ネットワーク基盤として初めて導入が認められた。これはまさに日米安保同盟の恩恵であるが、その恵まれた状況を知ってか知らずか、そのシステムを脅かすようなことを何のチェックもなしに社会にばらまいてしまうこと自体が法人組織としてのガバナンス、コンプライアンス意識そのものの欠如を疑われているのである。 大学当局はこの事に対してどのような対応をしたのか、実効性のある再発防止策がどう取られたのかそれが問題である。これは、何ら法律的な義務ではない。自主的にすすめることに意味があり、その内容によって社会がその組織のランク付けをする。

 発展途上国の国立大学というのは、コンプライアンスとしては必ずしも優等ではない。むしろ、リスク対象と考えなければならないであろう。

 現代社会というのは、如何に規制対象の先進技術開発を自らのコンプライアンス・プログラムにより管理・運営し進展させるかが重要なのである。

 

2009年08月01日

日本の国立大学は、安全保障,国際レジームの空白地帯

Tohoku Univ..jpgTohoku Univ..pdf

東北大大学院の原子力工学の研究室から、「核開発に係る規制技術」が米国法の「懸念顧客リスト」に挙がっているイランの国営機関に何のチェックもなしに情報流出させたという報道は、わが国の「安全保障コンプライアンスシステム」の信頼性を大きく失墜させた。

 

 産業界がいかに真剣にこの問題に取り組んでいるか、ココム違反事件で指摘されて以来、国際的不名誉を払しょくするためにこの20年、どのような努力を重ねてきたのかを全く意に介せず、またもや日本から世界の基本的秩序を乱す行為が行われている。

 このことが白日の下に暴かれたということ自体が、日本の国益を大きく損ねる重大事件である。しかも、それが知名度の低い中小企業で起きたことではなく、国立大学(旧帝大の一ひとつ)から発生しているということが大きな問題なのだ。 つまり、日本中のどこの大学でも同じようなことが、日常的に平然と行われており、当事者たちは何らそれを問題であるとは考えていないということが分かってしまったということが重大なのだ。

経済産業大臣の通達で、文部科学省はどう動いたのか? 通達の発令は、一つの責任逃れの表明であり、複雑でさまざまな課題を抱えている日本の大学のコンプライアンス問題は文部科学省できちんと対応して貰いたいという小さな官僚根性が見えてくる。

一番大事なことは、一刻も早く各大学が世界標準に沿った独自の自主的コンプライアンス・プログラムを制定し、その確実な執行を具体的な形で示すことである。 

 日本の国立大学、研究機関名が米国法の懸念顧客リストに挙がってしまうとどのようなことになるのか?

 たとえ名門国立大学であれ、日本の先進技術分野のコンプライアンス企業においては、懸念顧客リストに挙がっているグループとのあらゆる取引をしなくなる仕組みが取り入れられている。(経済産業省所管のCP登録企業 約500社) 

 このチェックはシステム的に行われているので、これに違反すれば米国法のレギュレーションが自動的に自社の業務にも跳ね返ってくるので、おいそれとは勝手な行動ができないからである。

2009年08月01日

大学、研究機関のリスク管理は?

大学のコンプライアンス.pdf大学の外為法コンプライアンス.jpg

 国家安全保障、国際レジームに従ったリスクマネージメントが世界中で最も遅れているのはわが国の大学、研究機関である。

世界的に最先端の研究テーマに取り組んでいるとのPRには熱心であるが、もっと大切な「安全保障コンプライアンスの体制作り」は、米国等先進諸国の中では日本が最も遅れているという厳しい現実をほとんどの責任者は全く理解できていない。この問題について日本の国家としての所管は経済産業大臣であるが、実行を統括する責任は文部科学大臣にあり、現場の責任者はそれぞれの研究を統括する教授となる。

実際に外為法違反で服役するのは、大学教授ということになるだろう。

今回の事件は、イラン向けの外為令別表2項に係る外為法違反が先ず問われるわけであるが、これまでの日本の法整備が全く遅れており米国等国際社会の安全保障国際レジームが求める要求を満足できていなかった。2009年4月30日公布の外為法大幅改正(22年ぶり)により漸くその法整備が一段落したことになる。

外為法の大幅改正といってもそれが一体何を意味するのか、ほとんどの国立大学工学系研究責任者達は理解できていない。 これが「モノ作りニッポン」を目指そうとする日本の厳しい現実なのだ。

        はじめて聞いて驚いた、事実とすれば大変だ!   さっそく調べて善処する。

 今回の外為法改正の施行は11月から(国会では年内とされている)である。従って、今回の東北大学の報道案件は「ただちに法に抵触はしないが、東北大に事情を聴き、文部科学省とも連携して、未然防止のために何が良い形か相談したい」というコメントになったわけである。しかし、これは22年前の東芝機械ココム違反事件での当時の通産省の見解と全く同じである。日本の法整備の遅れ、ローカルルールによる法の解釈による言い訳にしか過ぎない。国際社会、特に米国法EARの下ではそれらは全く通用せず、私見ではこの案件は安全保障コンプライアンスの違反は明らかである。日本が米国の同盟国という立場でなかったら、パキスタンのカーン博士の核開発違反取引と何も変わるところがない。ただ、違反の当事者がその事実認識を全く持っていないという点が天下泰平で、いかにも日本的ではある。

しかし、この11月以降の法施行を期に違反は厳しく取り締まるという法的根拠だけは、麻生政権の最後の置き土産として確保されたのだ。

後は、それぞれの研究責任機関が一刻も早く自主的なコンプライアンスの制定、実行あるのみである。 

STG(株式会社サブラヒ・テクノロジスツ)は、文部科学大臣認定の登録技術士が中心となって各大学、研究機関等を対象に組織内のコンプライアンス体制整備を兵站支援する第三者技術監査法人です。 20年遅れで始まった「日本からの国際的役務取引レジームのコンプライアンス」を全面支援いたします。核、原子力技術開発のみならず先端材料、半導体、センサー、ロボット、工作機械、レジスト、暗号ソフトウエア等など全ての特定役務取引の該非判定、手続き等を兵站支援致します。

コンプライアンス経営は、21世紀日本の工学分野、最強の事業戦略です。

大学、研究機関ももはや例外ではありません。(大臣通達 平成18年3月

2009年03月16日

中国への事業展開には、コンプライアンス・プログラムの登録が必須

 日本の製造業がどのように発展できるのか、そのような場面で中国進出は誰もが普通に思いつくことでしょう。しかし、多くの企業経営者がすっかり忘れていることがあります。市場ばかりに目が奪われて、どうしてもクリアしなければならない大事なハードルが見えていません。それは、日本企業としてのコンプライアンス・プログラムの登録です。従来の欧米市場志向の企業経営と全く異なる中国市場へのビジネスをスタートするためには、まず経営者自身による経済産業省へのCP登録が必須です。

 現在日本企業でそれがなされているのは、550社だけです。(2009.1現在) 事業展開の最前線にいらっしゃる現場戦士の皆さんは、自社の名前をコンプライアンス・プログラム登録企業の中に見いだせるかよくご確認ください。まず、それを確実にクリアしていないとすべてのご苦労が早晩大きな破局を招くことになってしまうからです。

CP登録企業リストは、こちらです(経済産業省から入手したコピー)。 CP登録企業(2009.1.5).pdf 

 また、自社が直接事業進出することがなくとも、御社の製品納入先企業が中国への市場展開をされている場合には、その顧客よりコンプライアンス体制の構築を求められることになるでしょう。製品の納品時にパラメータ・シートの添付を求められることはごく普通のことになるのです。

 先進的企業経営への第一歩として、コンプライアンス・プログラムの登録をまずお願いします。

コンプライアンス経営は、輸出管理から

2009年02月24日

日本の化学メーカーの社会的責任 コンプライアンス経営を考える

 日本の製造業としての化学メーカーの地位は、残念ながら他の有力産業、たとえば自動車、機械、電気、精密器械などと比較して企業の社会的責任(CSR)という視点において大きく後れを取っている。早く基本的体制を整えて産業界全体として、日本のモノ作りにおける代表選手として成長していただきたい。

なぜこのタイミングで藪から棒にこのようなことを取り上げるかということの背景をご説明しよう。

現代社会においては化学物質の管理に係る安全保障上のリスクが非常に高まっている。つい最近の事件として、アフガニスタン向けの麻薬(ヘロイン)原材料になる無水酢酸1トンが名古屋港で押収された。

I麻薬原材料違法取引.pdf

1988年の国際条約ではこれらの取引をしっかり管理することが先進各国に義務つけられている。我が国の法令では、輸出令別表第二 21の3 十五において明確な輸出規制が定められている。

 今回の事件報道では、外為法違反容疑でパキスタン国籍の男が関わったとしか公表はされていないが、わが国の国際的信用を損なうもっとも重要な責任は、この化学物質を製造し提供した化学メーカーにあるというのが企業の社会的責任を厳しく評価する技術専門家としての私基本スタンスだ。このような化学物質は誰もが簡単に入手できるものではない。すべての事件の震源はメーカーにある。このような基本的な管理がしっかりできないようでは、アメリカのオバマ大統領がアフガニスタン地域の安全確保の強力なパートナーとして真剣に協力を求めている期待に少しも応えていないことになる。むしろ逆に、テロ組織アルカイダへの不正資金供給の影の加担者と国際社会で言われて弁明できますか。このような事件は過去にもあり、日本で入手したものを韓国経由でタリバーンに供給しようとした組織が韓国政府に摘発されている。

オウム真理教の起こした霞が関で起こした大都市における最大の化学兵器テロ、地下鉄サリン事件もその加担者として日本の大手化学メーカーが化学兵器の原材料である三塩化リン(輸出令別表第一 3(1)項 省令2条1.三.ソにて規制)を提供している。 第七サティアンから押収されるドラム缶の写真からは、その材料をテロ組織に提供したメーカー名が明瞭に読み取れる。

サリン_0003.jpg

 

化学兵器(オウム).pdf

 この汚名は永久に消し去ることはできないが、その後社内管理体制の見直しを進め信頼される企業に生まれ変わるのがせめてもの企業の社会的責任というものではないのか。あれからもう十数年が過ぎている。日本化学工業協会の猛省を求めたい。

コンプライアンス経営、リスクマネージメントというのは、企業の想像力と先見性そしてチャレンジ精神を測るもっとも重要な物差しである。法律で規制がないから、とか事件が起きなければ良いだろうというのは最も日本の企業経営の後進性を象徴する言葉である。法律の整備は、事件が起きてからでないと動き出さないのが日本の社会の常であった。それでは、企業は生き残れない。

 

 

2008年06月16日

「技術士」による輸出管理コンプライアンスサポート

コンプライアンス経営は輸出管理から!
先ず、経済産業省のCP登録企業を目指そう。(2008.4現在、524社しかありません)

CP登録企業名は、その企業が希望すればその名前が経済産業省のウエッブ上で公表されます。現在その数は、524社です。 自社がコンプライアンスに対して厳正に取り組んでいることを経済産業省が認定してくれるわけであるから、これはCSRを目標に掲げる企業にとって非常に高い栄誉であるはずですね、違いますか?

しかし、それを公表してもらうのは非常に憚られるというのが日本の大半の企業の実態なのです。非常に悲しむべき実情ではありませんか?
先ず、企業が社会的責任を果たしていることの必要条件として、社内の安全保障輸出管理コンプライアンス・プログラムを定める必要があります。
それを経済産業省へ届けることによって、CP登録企業として公式に認定されるわけです。
だが、「そのことを公表してくれるな」というのは、一体何を物語っているのだろうか?


役所の指導により「コンプライアンス・プログラム」を作っては見たが、それを公表して欲しくないというのですから、不可思議ではありませんか。

「私たちは、1部上場、ISOも取得しています」と威張っても、もっと基本の安全保障の輸出管理コンプライアンスがお粗末な企業が何と多いことでしょう。 
世界市場に向けて正真正銘の「CSR企業」を標榜するためには、安全保障のコンプライアンス体制の構築が営業成績や品質と三位一体、不可欠であることを、少なくとも企業経営者がしっかりと自覚しなければなりません。 そして、その意識を全社員へ徹底するリーダーシップを発揮していただきたいものです。

高機能、高品質だけでは通用しない。 ISOではカバーできない輸出管理コンプライアンス!
中村サブラヒ・テクノロジスト事務所では、皆さんが経済産業省の安全保障輸出管理コンプライアンスの登録企業となるよう支援させていただきます。

社内の専門家育成を私たちが親身になってサポート致します。

 私・中村が、日本全国どこでも、御社の輸出管理体制を訪問診断いたします。

2008年01月21日

偽装の枢軸

偽装の枢軸.pdfs-偽装の枢軸.jpg


 世界の安全保障という観点から米国のブッシュ大統領は、テロ支援国家を指して「悪の枢軸」という言葉で強烈に非難した。
我が国の国内では、社会の信頼、国民生活の安全を脅かす様々な偽装問題が蔓延しているが、昨年明るみになり問題となっている年金問題に加え、今年の年明け早々に浮上した再生紙偽装という大きな偽装がある。
この問題は、けして最近の問題ではなくここ数年間以上に亘って行なわれ続けてきた反社会的なおおきな偽装である。しかもその当事者達は極めて罪の意識がうすく、反省の念もなくそのまま居座っている。この偽装によって被害をこうむったのは、日本全国の一般消費者ばかりではなく経済産業省、環境省、文部科学省、国税庁、市町村役場や環境保全問題に真剣に取り組んでいる優良企業まで全てが欺かれている。私に言わせれば、製紙産業全体が我が国における「偽装の枢軸」と言っても少しも言い過ぎではないと思うがいかがか。
 かって福田康夫氏が外交高官であられたころ、外国のメディアから日本企業のリビヤへの核開発関連不正を問いただされた際の、極めて恥ずかしいあやふやな答弁が思い出される。http://www.cbsnews.com/stories/2004/01/24/world/main595585.shtml


 今回は、事件が国内で発生し、しかも政府関連省庁自体がまるで監督責任を果たせていないではないか。製紙産業全体がグルになった偽装の枢軸である。
 話し合えばきっと分かり合えるというような甘い認識ではとても済まされない。
 環境問題がこれほどまでに世界中で問題となっている最中、ましてや洞爺湖サミットが開催されるこの大事な年の始めの元旦から、環境を食い物にし、私達の信頼をそこなう偽装の枢軸が平然と行なわれていることに対しては、毅然たるリーダーシップをどうしても発揮していただかなければ全く示しがつかない。
2008年01月11日

コンプライアンス経営、始めが肝心

日本製紙の「再生紙偽装年賀状」が、2008年の我が国偽装問題の第一号とは悲しいことだ。
日本郵政、民営化後初の年賀状が全て偽装再生紙であったというのは誠に情けないが、これが何年も続いていたというのが、日本の社会の現実である。
年賀状は日本全国で毎年40億枚も発行されるそうだ。「環境重視」ということで誰もが再生紙の年賀状に協力してきた。国もそのことを強力にバックアップしてきたのではなかったのか。
学校や自治体も古紙回収には全面的に協力し、少しでも環境負荷の軽減になればという共通の思いがあった。
「紙は文明のバロメータ」とは至言だが、この偽装再生紙は日本の文明の現状を象徴している。

日本製紙のHPでは、「省資源に貢献する古紙」とか「古紙配合率やチップ利用率などを書いた7つの『環境ラベル』を独自に設けて、環境にやさしい紙製品の普及に努めている」などと喧伝しているが、その心は全くの偽装であった。再生紙を作るには、技術的に非常に高いハードルがある。誰もが直ぐに出来るものではない。我々技術屋はそれがために日夜その実現に精魂を傾けて来たのである。それだからこそ再生紙の年賀状に価値があるのであり、私たちが何としても手に入れて使いたい製品なのである。上辺の薄っぺらな品質で高い対価を払って誰が高い再生紙などを使うだろうか? 
国は、国税を使って一体幾らで毎年40億枚もの偽装年賀状を作らせていたのか全国民に公表しなければならない。
古紙配合率40%と謳っておきながら、含有率が5%にも満たない偽装品を日本全国にばら撒いていたのであるから。そして、「再生紙などはとても難しくて私たちには作れません」というのであるなら、経済産業省は「日本の古紙回収率は世界のトップクラス」という誤った認識を植えつける目障りな看板を早急に下ろさせてもらいたいものだ。
2007年11月16日

山田洋行事件とコンプライアンス意識、日本社会は後進国

山田洋行事件.pdf
 法令順守違反が分かれば、直ぐに契約は一方的に破棄されるのが米国社会では常識である。
取引契約書の中にも、その一項が必ず盛り込まれている。
 私は、顧客企業より海外との役務取引の該非判定の依頼を受け、度々その判定の根拠になる契約書を拝見するが、その殆どがコンプライアンス違反に対する条項が欠落している。時には、契約書自体を交わさずに海外との取引をしている事例もあり、日本企業の後進性が露呈されてしまう。
一つ一つの取引において、これはどの契約書に基づいて行なわれる取引なのかをチェックして見ると良いだろう。 

 貴方のその取引案件、契約書はありますか? そして、その中にお互いの法令順守義務が謳われているでしょうね。そのことを確認するだけでも、御社のコンプライアンス意識は大きな前進を遂げるでしょう。

 海外との業務取引においては、必ず契約書を交わすことそして、その中に国際的な法令順守が謳ってある事を法務担当者は確認していただきたい。

 日本社会では、山田洋行の事件が発覚して何日も経過しているのに未だに国会ですったもんだの証人尋問が行なわれ、誠に恥ずかしい議論が重ねられている。

 米国社会では、山田洋行は法令順守違反で一方的に即刻に取引破棄の処分を受けてそれっきりおしまいとなっている。
法令コンプライアンスができていなければ、社会からは問答無用で相手にされなくなる。

日本社会では、なぜそれが出来ないのか?
日本人社会の甘さの現況が、ここにある。

国際社会では、その甘さは一切通用しないのだ。
2007年10月21日

エレベータ業界のコンプライアンスがシステム破綻

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 日本のエレベータ業界は、顧客への安全保証という観点から完全にシステム破綻しているらしい。
都会では、高層ビルが建ち並び日々エレベータのお世話にならない人はいない。特に最近の超高層ビルにおいては、その根幹機能はエレベータに負っているといっても過言ではない。
しかし、その安全が保証されていずそのことに全く関心をもっていないユーザーが、リスクを負わされているのが現実だ。
シンドラーという海外メーカーの不祥事には、過剰に反応する日本人が、三菱とか日立、住友といった大手国内メーカーに甘いのは、日本人の永年の特質であるがこんなことでいいのであろうか?
 
 大地震が来なければ何も問題ないと、平然としている者もいるだろう。もし、そうであるならそのビルは耐震設計が××レベルですと明言しなければならない。
 偽った書類をでっち上げて何も知らない一般大衆を欺き、自らが甘い汁を吸っているのが日本のエレベータ業界であると言われても仕方がないだろう。
経営者が技術陣の教育を怠り、技術的な専門的知識と責任に基礎をおいた、工学技術本位の業界コンプライアンス体質を築き上げてこなかった放漫経営が露呈してしまった。
 経営者は、技術のことはまるで分からない。分かろうと思ってもそれは無理だ。しかし、自らの責任を果たすためには技術の分かる片腕が必ず直ぐ右に居なければならないということを肝に銘じて頂きたい。
 技術の責任者が右に居ないエレベータ会社のエレベータは、ブランドや外見が如何に立派に見えても耐震保証に偽りがあるということを、高層ビルに登る際は覚悟して上ることだ。
2007年06月11日

形だけのコンプライアンス

ミツトヨ、形だけ.JPG
ミツトヨ、法令順守形だけ(2006.9.1日経新聞)

 日本を代表する大手精密測定器メーカーは、形だけの法令順守で国際的な不正行為を続けてきた。

 リビア、イランなど不正輸出事件は後を断たないが、国際的な情報ネットワークが構築され芋づる式に我が国の先進輸出企業の立件がこれからも一層進むであろう。

 形だけの行動規範は誰でも作れる。いかにそれが日常の業務の中で活かされ、実効性を挙げているのかを経営者自身が認識できなければ、意味がない。

 先ず必要なことは、経営者自身の強い決意表明と的確な推進組織の育成をしなければことは前には進まない。最早、片手間に自らの名誉にもかかわる重要な任務を負わせるような、「まやかしの似非コンプライアンス」の時代ではない。

 
2007年06月09日

大学や研究機関は、無統制状態。コンプライアンスをどう考えているのか?

 ss-大学・研究機関のコンプライアンス.jpg

様々な国際的緊張状態にあって、日本の大学ほど安全保障という意識において無防備な組織は無いといっても過言ではない。
 最近報道された私学振興事業団の調査結果では、内部監査機能を持つ大学は、我が国の国公私立大学のうち1/3しかないということだ。(日本経済新聞2007.5.30より)
 企業においては一般的な危機管理マニュアルすら、作成している大学は半数に満たない。
平成18年3月に経済産業大臣から文部科学大臣宛に、このような状態では我が国の国家安全保障の責任を果たせないので、十分な対応をするよう異例の通達が出された。しかし、この通達は全く形だけで、個々の大学においてその意識が徹底できたかというと一向にその兆しは感じられない。
我が国の行政組織は、境界をお互いがきちんと守る永年の仕組みがあり、隣の畑がどれ程危機的な状態にあっても見て見ぬふりをするようだ。
 文部科学省管轄の組織が危機的状態にあっても、安全保障の輸出管理を所管する経済産業大臣は何も具体的な対策が執れていない現状を、安倍内閣総理大臣はどう考えているのか?
 我が国の安全保障の戦場は、まさに国外に在るのではなく国内にある。
 いま我が国の各大学や関係機関には、海外からの「非居住者」が溢れている。
 彼等は皆、「安全保障輸出管理の対象者」である。これらの人たちを対象にした安全保障危機管理が全く成されていない現状を一刻も早く、目に見える形で改善していかないと我が国の安全保障輸出管理コンプライアンスは、全く意味を成さないということを大学関係者は、もっと深刻に受け止めていただきたい。
 先端技術分野の産学協同プロジェクトも結構だが、「安全」が全然保障されていない組織をパートナーに選ぶようなコンプライアンス企業は、我が国にはあっては困る話なのだ。

 あのオーム真理教によるサリンの事件、エボラウイルス生産技術開発、核・放射線関連技術、ウィニーソフト流出事件・・・など私が手がけた案件だけでも気になるものが山ほどあるのが大学等関連施設なのである。
 でも、そこには危機管理、内部監査を受け持つ組織すらないのが現状なのである。
 
2007年04月13日

コンプライアンス経営セミナー

 「コンプライアンス経営」というものをどのように進めたら良いのか。

 日本社会のあちこちでこれだけ沢山の不祥事が問題となっており、時には新聞の社会面全てが経営者のお詫び記者会見で埋め尽くされる日もあるくらいです。
私のこのブログHPにも、そのような記事に関するページがかなり多くなってしまい、書いている本人がいささかうんざりする時もあります。
どうして日本社会では、これほど多くの不正や不始末、不祥事が発生するのかを自分なりに分析してみました。

 「国民性に本質的な欠陥があるからである」と考えざるを得ないというのが私の結論です。
 とかく日本人は品格を重んじる民族だとか、和を重んじ家族的で仲間を大切にするとか、正の面だけを強調する人は多いですが、実際にそうなのでしょうか?

 この辺をしっかり澄んだ心で見直さないと、現代の日本社会で問題となっている不祥事の連鎖は断ち切れないと私は考えます。
 私は、このような問題をどのように考えたら実際の企業経営に活かせるのかを、ここ十年ほど考えてきました。
その結果の一つの答えが、「コンプライアンス経営は、輸出管理から」ということなのですが、まだその本質的な意味を理解して賛同して下さる企業は数が少ないのが現実です。
 でも一方で、日本を代表する世界のトップ企業から直接のご要請を頂いて企業内セミナー、従業員教育の支援に参画させて頂いている事例が多くはありませんがいくつもあります。

 もし本当に突破口が見つからず、真剣にお悩みの方がいらっしゃるなら是非とも当方が講師を勤める「コンプライアンス経営は輸出管理から」というタイトルのセミナーを受講していただければ幸甚です。
 この分野では、我が国の社会全体が20年以上取り組んでなぜ一向に成果が挙げられなかったのか、いわゆる「失敗学」の本質をはっきりと認識、自覚することができる事例が沢山あるのです。その本質的原因を知ることが、即ち「コンプライアンス経営」とは何かを知る原点になります、というのが私の着眼なのです。

皆様のご参加をお待ちいたしております。
2007年03月19日

日常生活の安全保障をどう考えているか?

 「企業の社会的責任」において、日常の安全保障にどれ程の配慮がなされているか?
 日本の経営者層に最も欠けている部分が、この領域であることを改めて訴えたい。

 12年前日本のど真ん中、首都である東京の霞ヶ関で突然起きた地下鉄サリン事件を忘れてはいないだろうか。
 世界の大都市で、このような「毒ガステロ事件」が発生したのは、前代未聞である。
 大勢の被害者への保証、支援は置いてきぼり、犯罪当事者への判決は未だに進まず、またそのような犯罪を未然に防ぐための企業社会の無関心・・・。

ss-サリンから12年.jpg

 こんな有様で、「安全都市東京」宣言は止めて頂きたい。
 大きな口を利く前に、やる気があれば誰もができる身近な行動が先ず求められている。

 過去の貴重な体験を風化させていて、何ら実効性のある対応が執れていない現実を私達はもっと、真剣に直視しなければいけない。
 日本人社会の大きな欠陥は、事件に対する問題意識が直ぐに冷めてしまうこと。
 反省がないのが、あえて戦争責任を引合いに出すまでもなく、日常茶飯事となっている。
 謝罪で済む問題ではなく、その後の具体的行動が出来るか、否かの意識と能力が今、問われている。

 企業経営で多少ともCSRに関心があるというのであれば、確実に将来にわたって評価される安全保障コンプライアンスにもっと熱意を示す経営者、リーダーがいても良いのではないか。
2007年02月02日

今、最も不都合なこと

「不都合な真実」という映画が話題になっている。
しかし、日本の社会ではもっと、ずっと不都合なことが身近で頻発している。

 初めて聞いて、驚いた

   事実とすれば、大変だ

     早速調べて、善処する。



 この「20年前の戯れ言」が、未だにそのまま現実として社長や国会議員の会見等で通用している私達の日常社会を変えられないようでは、とても「美しい国」とは言えない。
 ましてや、遥かに次元の高い自然環境問題と文明のあり方などの議論に参加する資格などないのではないか。

 国際社会の常識ある一員として、日本人はもっともっと自負を持って行動、発言ができるようになかなければならない。

 「コンプライアンス」などというと分かりにくいかもしれないが、要するに日常の常識のことなのだ。

 

 
2006年03月07日

今、輸出管理の最前線は・・・。戒厳令!

「ヤマハ」、「ミツトヨ」と相次いで日本の著名企業による外為法違反事件が起きた。
 監督官庁である経済産業省では、居ても立ってもいられず輸出管理の強化策を発信した。(3月3日付け
 1)我が国輸出管理強化策について
 2)安全保障貿易に係わる輸出管理の厳正な実施について
 3)大学等における輸出管理の強化について


1)は、この問題に関する経済産業省の取り組み姿勢を表明した文書であり、
2)は輸出関連企業の社長宛に、経済産業大臣名で今まで以上に厳正な取締りをするので、しっかりやってくれよという警告であり、
3)文部科学大臣宛に、大学や各種研究機関での論文や技術提供なども輸出管理の対象で、容赦はしないという警告に受け取れる。

 要するに、今まで色々と言っては来たが一向に実効成果が上がっていない我が国の安全保障輸出管理の実体を認識しての非常事態宣言(戒厳令)にも等しい御触れである。

 1)では、実際のコンプライアンス・プログラムが如何に運用されているかの抜き打ち、立ち入り調査を行うとも明言している。

 さて、皆さんの会社ではその対応はできますか?
 
 私の経験から申し上げると、殆どの企業では担当者の手配もままならず、どうしたものかと頭を抱えてしまっておられるのは確実である。

 霞ヶ関からでは見えない、輸出管理の実態とその問題点の具体的な対応策について、中村サブラヒ・テクノロジスト事務所では適切なコンサルティングを致します。


 
2006年02月14日

「ミツトヨ」本社の耐震疑惑(?)で捜索

s-ミツトヨ事件.jpg 
 「ミツトヨ」の本社が耐震疑惑で捜索を受けた、といってもこれは姉歯事件ではない。世界安全保障に関わる、「核関連の闇取引」に加わった外為法違反疑惑である。

 核兵器拡散による震撼と地震による耐震とどちらが恐ろしいかは、それぞれの立場で違うであろうが、いずれ劣らぬ重大なコンプライアンス違反であることには違いない。
 つい最近ヤマハ事件が明るみに出て、日本企業の地盤沈下が明らかになったが、今回は世界的な測定器メーカーの「ミツトヨ」がヤリ玉に上がってしまった。

 しかし、このミツトヨが起した「闇取引事件」は、2003年頃から我々専門家の間では既に明らかになっていた。IAEAによるリビア核査察の際の当事者に挙げられていたからである。

 しかし、日本当局の不作為責任をいいことに少しも懲りずに、今回は中国やタイに問題の機材を輸出する事業を展開した企業経営者の無神経ぶりには、呆れてしまう。

 即ち、企業経営者が余りにもコンプライアンスについて無知であるのか、日本の政府当局が余りにも怠慢で、企業を甘やかしてしまって舐められているかのどちらかなのである。
 先の「ヤマハ」にしても今回の「ミツトヨ」にしても、安全保障輸出管理の優良企業として、経済産業省のコンプライアンス・プログラム登録企業に名前を連ねているのであるから、恐れ入ってしまう。

 日本政府が多額の税金をつぎ込んで構築してきた日本社会の安全保障システムが、いたるところで耐震疑惑にさらされている。
 「耐震疑惑」というのは、国会中継でみた「姉歯事件」関係者ばかりではなく、社会システムのいたるところで蔓延していると言うことを国民一人一人が改めて認識しなければならない。
 
 
2006年02月07日

ヤマハ事件に学ぶコンプライアンス問題の本質

社員が社内規定に反し、違法輸出を行い外為法違反容疑で立件される。この責任は誰にあるかと言えば、当該企業の社長にありその命を受けて任に当たっていた輸出管理最高責任者にあるのである。
ヤマハ事件の場合もそのことが自社の輸出管理コンプライアンスプログラムに謳われていた。経済産業省もそのことを確認して、安全保障輸出管理CP登録企業として受理していたのである。
にも拘らず、今回のような重大な犯罪を犯して企業自らの信用失墜ばかりではなく、国際社会における日本への信頼を損なわせてしまったことの影響は大きく、その原因が本当にどこにあったのかを私たちは真剣に考えなければいけない。
監督官庁側には、重大事件として断固たる行政処罰をしていただく必要がある。いままで、それをうやむやにして穏便に済ませて来てしまったことが、今回の大事件に繋がっていると言うことを認識していただきたい。この問題は、経済産業問題と言うよりももっと重要な世界の安全保障問題である。これからも中国のミサイルばかりでなく、イランの核開発、国際原子力発電事業など皆が力を合わせて取り組まなければならない案件が目白押しである。

CP登録企業と言う肩書きは、輸出管理の内容をしっかり理解し責任を持って遵守することを誓約した企業にしか与えられないものだ。日本には300社余りの企業がその肩書きを得て、登録を公表してきた。いずれも日本社会における指導的立場にある企業であるはずであった。
今回のヤマハ事件当事者は、真面目な企業倫理を掲げて日々研鑽、実践している仲間達を裏切る行為であったことをしっかり認識し、謝罪反省しなければこの汚点は消し去ることはできない。

そしてこのような企業倫理に基く社会の仕組みは、個々の企業が日常より継続的に研鑽を重ね、社内教育を行い日々問題点の改善活動を自らが習慣化していかないと直ぐに形骸化してしまうのが常である。今回の事件も典型的なこのパターンだ。経済産業省のお役人が立ち入り検査でチェックして不備を指摘できる問題ではない。ルールの不備はチェックできるがどのような心でそれを実践して、どのような問題を抱えているかが分かるのは当事者だけである。
私達は、この分野の実践経験を有する専門家として、各企業の輸出管理責任者の視点に立って社員教育を支援させていただいております。
「霞ヶ関からでは見えない」、日本の安全保障輸出管理コンプライアンス問題の根っ子
2006年02月05日

コンプライアンス経営のチェックは?

 カネボウの粉飾事件、西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載など本来企業であってはならないことが次々と明るみに出て日本の社会は一体どうなっているのかという指摘が後を絶たない。
 日々の仕事を規定どおりやっているかをチェックするのが監査役の重要な仕事であるが、それが殆どの企業でしっかり機能してない現実があるため、前日のような問題が次々と起きてしまうのだ。
 おたくの監査機能がしっかり果たされているかを簡便に判別する方法がある。全てのケースに適応できるわけではないが、製造業の方々には100%適応できるのである。
 それは、皆さんの会社で輸出管理コンプライアンスのチェックを監査役が毎期きちんとやっているかをチェックするということである。財務諸表などお金の動きは、数字で示されることから容易に粉飾が可能で、それを見破るのはなかなか容易ではない。
 しかし、輸出管理コンプライアンスについてはしっかり監査をしたかどうかは誰もが容易に分かる分野である。多くの監査役は、正式の監査報告書に一行「問題なし」と触れているだけで済ましてはいないか。それは、監査役自身が輸出管理コンプライアンスの知識や能力がなく、とても個々の企業のその実態を監査できない現実があるからである。
 監査法人を選択する際は、その監査がどの位この輸出管理の問題を監査するかを見るのは、彼らを選別する非常に有効な手法である。
 彼らにとって苦手な分野にもきちんと目が届き、適切な指摘をしてくれる監査こそが、本当に御社にとって信頼のおける監査法人であると思う。
 
2006年01月23日

「ヤマハ発動機を不正輸出で告発 経産省」は、大きな衝撃

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 一般メディアは、米国牛肉のBSE問題に大きな関心を示し本件のような問題に注目が行かないのは極めて遺憾なことと思う。
 食の安全を軽視する積もりは毛頭ないが、国際社会、国家の安全保障問題と比較すれば、食やライブドアの問題などは針小棒大だと言ったら言い過ぎであろうか。
 1月23日付の新聞記事で小さく扱われてはいるが、ヤマハ発動機の不正摘発という事件は歴史に残る、日本にとっては由々しき不祥事案件である。
 「ヤマハ」というブランドを私たちは自動二輪の分野でホンダと並ぶ、世界的な日本の商品として誇りに思ってきた。年間の連結売上高も一兆円を超え、従業員は単独でも8000人という規模の企業となっている。
 そのような大企業が、世界の安全保障を脅かす不正を行ってしまったということは一体どうしたことだろうか。
 告発の内容は、外為法、輸出貿易管理令の省令第3条(ミサイル関連資機材)に関わる不正輸出である。
 企業側の言い訳としては、「中国での農業向けの農薬散布の機材だ。うっかりして必要な手続きをミスった」となることは目に見えているが、事実はそうではない。
 「中国軍の、日本、台湾、米国をターゲットにした国家的なスパイ活動に企業ぐるみで加担したという極めて不名誉な、国家安全保障上の悪質事件じゃあないか」、「牛肉問題などとは全然レベルの違う問題だ」と米国の国防省筋から言われても全然言い訳もできないだろう。
 牛肉問題は極めてローカルな特殊ルールであるが、安全保障問題は世界中の全ての自由主義陣営(俗にホワイト国と言われている)が厳密な遵守を約束している極めて重要な国際ルールである。その大事なルールを日本の代表的な「ヤマハ」という企業が破ってしまったということであるから牛肉の安全問題などは、国際社会の中では針の穴と扱われてもごく当然であろう。しかし、日本の社会ではそれがにわかには分からないのであるから始末が悪い。

 中国は、日本にとって大切な隣国ではあるが国家安全保障という観点では、しっかり国家
間の友好が確立した相手でないことを多くの人がしばしば忘れてしまっているのは、日本人の安全意識の欠如として問題である。
 経済とか、ビジネスの観点しかない企業は、もう一度しっかりした安全保障輸出管理コンプライアンスの社内体制確立の重大性と緊急性をしっかりとご認識いただきたい。
 因みに経済産業省によると、ヤマハ発動機株式会社は安全保障輸出管理の社内管理体制がしっかり出来ている「コンプライアンス登録企業」である。そのような企業がなぜ今回のような不祥事を発生させてしまうのか、日本社会の根本的な箍の緩みが非常に気になるこの頃である。
 「社内の箍の緩みが気になったら、先ずコンプライアンス・プログラムを見直そう!」
 STGでは、「甦れニッポン!」合言葉に、「モノ作りニッポン」の企業内研修を支援
致しております。
 「霞ヶ関からでは見えない、真の現場力を鍛えましょう」
2006年01月13日

コンプライアンスの原点

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 「企業の社会的責任」のあり方が色々と議論されています。広く社会に受け容れられる存在であるためには、経営の透明性や法令順守(コンプライアンス経営)が重要視されているのはよくわかります。
 しかし、法令順守よりももっと前の問題がありますね。それを置き去りにして法令順守をいくら唱えても意味を成さず、結果はかえっておかしな方向に流れていってしまうと思いませんか。
「安全第一」とはよく言ったもので安全は全てに優先します。自分だけの安全ではなく、関係
する全ての人たちの安全確保がポイントです。そのための行動が「リスクマネジメント」という活動です。私たちは、日本でこの分野の草分けの研究活動を開始したグループで、今でも毎年地道な活動を継続しております。(通算17年間)
 今、日本を代表する松下電器産業が石油温風機の欠陥問題で必死の対応を迫られていることは新聞でもしばしば報道されているところです。当事者企業は、コンプライアンス経営の観点から様々な批判を受け有無を言わせぬ行動に走っていると思われます。大手新聞への大量な折り込み広告や、全国家庭や宿泊施設へのハガキ郵送までする異例の事態になっていますね。これらに必要な金額は、どれ程のものなのか一般庶民には想像もつかないものでしょう。
 その原因は一体どこにあったのでしょうか。私には、ひたすら社会的メンツに拘り、お金に
糸目をつけてはおれない本音の部分だけが見え、最も重要な原点が少しも解決されない状況に
なっていることが危惧されます。
 一体なぜ、十数億円も急遽投入しなければならない事態が発生してしまったのですか?
 「たかが温風機」という言葉は適切ではありません。松下電器産業が日々全世界へ供給し続
けているすべての製品に関わる重要な欠陥があり、それを沈静化するためにこのような対応を
迫られているわけですが、それを解決する原理原則とは一体何ですか?
 
 「リスクマネジメントの原理原則」
1)危険に関わる費用は、コストに折り込む
2)確認は確実に、念には念を入れる
3)すばやい対処は、事態の悪化をくいとめる
4)硬直的な管理主義は、破滅を招く

今回の事件は、これらの全てに問題があったわけです。口で唱えるのと、黙って実行するのと
いかに大きな違いがあるのかを実感して頂きたいと存じます。
2005年12月14日

耐震構造計算書偽造問題

s-DSCF2092_r1.jpg 現在、公的な証明書の偽造問題として注目を集めている。国会でも証人喚問が行われ、実際の黒幕は誰か、事件の核心はどこにあるのかが問われている。
 全く状況の本質が分からず、被害にあった方々大勢いるということでお気の毒としか言いようがない。しかしこのような事象は、今の日本社会の隅々にまで蔓延しているということを私たちはしっかり認識しなければならない。お上任せ、他人任せという日本人一人一人に巣食ってしまっている心の反省が必要である。
 先日、今回の事件で営業停止に追い込まれてしまった「名鉄イン刈谷」(写真)を実地で見てきた。ロケーションは、愛知県刈谷駅の改札口至近で駅ビルと直結している。外観はご覧のように小奇麗にデザインされており、ビジネスマンなら誰でもその選択に躊躇はないだろう。
 しかし、これが11月30日、愛知県建築指導課から「姉歯事務所による構造計算の意図的な操作が認められ、耐震強度基準を満たしていない」との連絡を受けて営業廃止、建物については、安全のため速やかに解体せざるを得なくなったそうだ。
 この問題の国土交通省は、自らが管轄するこの構造計算書偽造問題を5年以上前から把握していたが何の実効的な対策を取ってこなかったことが一番責任の重い怠慢である。
 しかし、役所の怠慢を責めても個々の役人には何ら当事者能力がなく、「悪い奴が見つかれば指導します」と位しか言えないのである。
 このような現実は、日本の全ての監督官庁に共通していることである。私たちが関わっている安全保障輸出管理の分野を所管する経済産業省であっても同じである。事件が発覚するのは往々にして外国からの指摘や内部告発である。
 従って、事件が起きてからでは手遅れでただ只管国を挙げて謝るのみとなる。輸出管理の該非判定には、今回の事件のような機械が行う自動計算判定ソフトといったような社会システムはない。それぞれの製造・販売企業自身が、己の商品に対してしっかりとした該非判定をすることが求められている。姉歯元建築士のような人はいない。自らがしっかりと該非判定書を作成することが法令で義務つけられている。
 皆さんの商品が偽造問題に発展しないよう、しっかりとした社内システムを構築していただきたい。
2005年10月21日

技術流出をどうやって防ぐか・・・。 あなたの会社は、この問題に対応できますか?

日本企業からの技術流出が問題になっていますね。御社では、この問題にどう対応していますか。私の見るところ、この問題に的確に対応している企業は、ほんの僅かであると思います。
何が技術なのか、どのような形でその流出が起こっているのかをほとんどの社員は知りません。日頃より「技術とは何か」、「何がどれ程重要なのか」、「その管理のマニュアルはどうあるべきか」の議論がなされていないとこの問題は解決できないのです。しかし、今の日本企業でそれがなされているのは、残念ながら非常に稀有であると思います。
普通、社内の重要書類に丸秘の印を押して済ましているのが一般的ですが、それではまずいですね。一般書類と技術文書を同じような印で管理しようとするのは、先ず初歩的な誤りです。そして、技術文書は基本的には外為法の中の外為令によって「役務の提供」という形で規制されています。相手に「技術」を提供する場合には、「役務の提供」に関する該非の判定をしなければならないのです。この業務は、輸出管理コンプライアンスの一貫です。最近ごく一般に使われるようになった専門用語に、「コンピュータプログラム」という用語があります。全てのコンピュータプログラムは、外為令でいうところの役務取引の該非判定の対象です。
先日大手電機メーカー「東芝」の子会社の社員が書類送検される事件が報道されました。
(引用)
大手電機メーカー「東芝」の子会社の元社員(30)が、潜水艦開発にも転用できる半導体関連の機密情報を在日ロシア連邦通商代表部の部員の男(35)に漏えいしていた疑いが強まり、警視庁公安部は20日、この2人を背任容疑で書類送検した。

 調べによると、元社員は昨年9月から今年5月にかけ、計9回にわたって、会社の機密情報を社内で携帯メモリーに記録、これを都内の飲食店で同代表部の部員の男に手渡すなどして、同社に損害を与えた疑い。情報提供の見返りとして、元社員は部員から現金計約100万円を受け取っていたという。

 調べに対して元社員は容疑を認めており、「部員は別の国籍を名乗っていた。途中からおかしいとは思った。もらった金は飲食などに使った」などと供述している。公安部によると、部員の男はすでに帰国しているという。

 東芝を巡っては、1987年、関連会社の東芝機械が対共産圏輸出統制委員会(ココム)規制に違反し、用途を偽って工作機械を旧ソ連に輸出していたことが発覚。ココム違反の制裁として、東芝機械は3年間の対米輸出禁止、東芝も3年間アメリカでの政府調達を禁止された。(読売新聞)

(引用終わり)


「東芝」関連企業であったためにニュースとなったのでしょうが、一般企業であったらニュースにもならない問題と日本社会では受け取られているのと違いますか。
企業が「技術流出」を問題にするには、先ずこの辺に原点があると思います。
私は、日本技術士会工場見学等でよく企業を訪問します。その際の、見学者達への入門手続きでその会社の技術に関する管理レベルが先ず判断できます。御社は、どのような形で工場見学者を受け入れていますか。
2005年09月21日

国内販売でも、輸出管理?

 これは輸出管理コンプライアンス・プログラムの必要性を色々な場面でお話させていただく際に必ず出てくる質問である。自分たちは国内販売なので、このように面倒な輸出管理体制など必要ないだろうとおっしゃりたいのである。特にベテランの営業マンならではの疑問ではないか。
 そこで忘れていただいては困るのは、「地下鉄サリン事件」という世界でも例のない、大都会での大量破壊化学兵器を使ったテロ事件である。事件が公になって、第七サティアンから押収された原料化学薬品の一つである三塩化燐の200Kgドラム缶には、れっきとした日本の大手化学メーカーの名前が刻まれている。もしこれが現在であったなら、このメーカーは大規模テロ犯罪幇助で社会からどのような非難を浴びせられるかを想像して御覧なさい。このような事件が、実際にあり得ると政府専門家の作った法令が私たちに訴えている。
2005年08月28日

CP登録企業とは?

我が国は、世界に対して「安全保障輸出管理をしっかりやります」、「国際テロ活動組織やイラン、北朝鮮などの核開発ブラックマーケットには一切加担いたしません」と公約しています。その公約を守るための社内の仕組みがしっかり出来ていると経済産業省が認めている企業がCP登録企業であり、そのリストが公表されています。
しかし、残念なことにその数は未だ僅かに300社そこそこしかありません。
この現状は、国際的に見ればはなはだ恥ずかしいことです。「モノ作りニッポン」として、優れた工業製品を世界市場に提供している我が国としては、安全保障輸出管理もしっかりやっているということを、形で示していただきたいものです。それが、真のCSRであり本当の一流企業の肩書きであるといえるでしょう。